私は言われるがまま廉についていった
3階の1番奥の部屋まで行った
部屋の中はとても綺麗で整っていた
私は廉が勉強できる理由、ひとりでいる理由、ここに住んでいる理由
そしてなにより
家族がいない理由
だけは聞いちゃいけないと思った
廉の住むアパートから私の家までは曲がってすぐ
私はそのままありがとうとだけ伝えて家の玄関のドアの前に立った
振り返ると廉は私の様子を見ていた
そして
初めて聞いた廉のおっきな声
廉は笑顔で手を振っていた
フッ
ついつい笑ってしまった
そしてドアを開けて2階の自分の部屋へ行くと
まだ下から様子を見ていた
そんなあなたに私は恋してしまいました
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。