そんな時、
「ねえ、さっき自己紹介の時愛知県出身って言ってたよね?
俺もなんだけど」
と角名くんが話しかけてきたのだ。
それからは、よく話すようになった。
角名くんも、元々あまり喋らない性格のようで、
会話のテンポもゆったりでいいから、
私たち結構一緒に過ごすことが多くなった。
角名くんはバレー部で、
私は帰宅部。
だけど、私は読書が好きだから図書委員会に入っていて、
放課後に図書室の当番になることも多く(みんなやりたがらないから、私が自ら進んで引き受けていた)
帰りが遅くなると、
よくバレー部の練習帰りの角名くんとばったり校門で会うことが多々あった。
角名くんは同じバレー部の2年生、宮兄弟といることが多くて、
成り行きで私も宮兄弟と話すようになった。
けど、
「あかんわー!明日小テスト忘れてたわー!どないしよ!?」
「侑うるさい」
「ツムうるさい」
「はあ??角名もサムも俺に冷たすぎちゃう??
あなたちゃん何か言うてやってや!!
そういやあなたちゃん図書委員やんな?頭いいやんな?」
『えっ?あ、』
--"図書委員=頭良い"っていう等式は、どうかと思うんだけど……
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。