第2話

173
2021/09/09 01:11








事の発端は、
2年に進級したばかりの頃。




「あ、あなたちゃん」





2年2組。


新しいクラスにドキドキしながら教室に入れば、
1年の時も同じクラスで仲良くしてくれていた角名くんがいた。







『す、角名くん!また同じクラスだ!』






人見知りの私は、
思わず嬉しくなって彼のところに駆け寄った。




スマホをいじっていた角名くんは、
ひらひらと手を振りながら笑っている。











彼と仲良くなったきっかけは、
私も彼も愛知県出身という共通点があるからだ。









高校入学と同時に、私は家族と一緒に兵庫県に引っ越してきた。






両親は東京の人だから、元々私は標準語で育っていて、
関西弁はネイティブじゃない。







それに少し引っ込み思案な性格もあって、

テンポの速い関西弁、
ノリのいい関西弁に、なんとなくついていけず、

取り残されている感じがあった。









どうしよう、友達できない。


話しかけなきゃ。














プリ小説オーディオドラマ