はぁ…またあなたの男主の名前と話してる。
別にあなたの男主の名前と話すのはもう慣れた。
二人は家族同然で仲良いから、
もう嫉妬しても仕方がない。
でも、でも、だ。話題がNakamu。
なんでだよ。隣に俺いるじゃん。
隣の席じゃん。彼氏だよ?
話し掛けてくれてもいいでしょ、
……見ても聞いてても俺が辛くなるだけだ。
読書しよう……でも、声は聞こえる。
もうクラスを出るしかない。
あ゛〜もう、ムカついてきた…。
……たしか、リストカットだっけ?
スッキリするんだよな…?
カッターあるし、やってみるか……。
ガラガラ…)
え?心配してくれんの?
話しかけてくれて心配してくれるじゃん。
へぇ…一石三鳥じゃん。
もっとやろ。
もっとやって、スッキリして、
心配してもらって、あなたがこっちに向いてくれれば…
きっと、きっと、構ってくれるよね?
ねぇ、あなた、もっとさ?コッチミテ♡?
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!