────────本丸にて。
出迎えてくれた加州清光、へし切長谷部に対して山姥切様が手に持っていた袋を前に出すと、山姥切様の横から「では、俺が厨へ運ぼう」と手を伸ばす巴形薙刀の声が聞こえた。その後ろには静形薙刀も居る。
軽く顔を合わせた所で、それぞれの持ち場へ戻り、私は乱さんと一緒に粟田口の部屋へ向かった。
一言「失礼します」と声を掛けると、まだ触れても居ないのに襖が開く。
一期一振、薬研藤四郎に続き、次々と藤四郎兄弟が部屋から顔を出して挨拶しに来る。部屋の隅では薬研さんの言う通り、虎と寝ている五虎退の姿があった。
平野藤四郎に言われ、「そうですねぇ……」と本丸から離れていたこの一週間を振り返る。
私はツイステッドワンダーランドに来てから、学校が休みの日は定期的に本丸へと帰っている。
モストロ・ラウンジで頂く余り物は本丸に居る皆へのお土産だ。
オンボロ寮にはちょっとした細工をしてあるので、私が居なくても暫くは大丈夫な筈だ。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。