第4話

1.クラスメイト
1,025
2022/01/13 06:35
魔法を使える者と、そうでない者が共存する“ツイステッドワンダーランド”。
賢者の島と呼ばれる島には、魔法士養成学校“ナイトレイブンカレッジ”があった。
名門校であり男子校のナイトレイブンカレッジには、才能豊かながらも、協調性の無い問題児生徒が多く通っている。
そして、私あなたは女子でありながら男子校に特別通う事を許された“魔力を持たない人間”。
全てが真逆過ぎてツッコミどころ満載だ。
あなた
あなた
(性別も逆だし、魔力すらないし、住んでる世界だって魔法が当たり前に存在してる訳じゃないし……!)
エース・トラッポラ
エース・トラッポラ
おーい、あなた。明日暇ー?
オンボロ寮遊びに行ってい?
あなた
あなた
え、あ、ごめん。
明日はちょっと用事が……
同じクラスメイトでハーツラビュル寮の寮生、エース・トラッポラに声を掛けられ、一瞬ギクッと焦るも、困った笑みを浮かべて遊びを断る。
エース・トラッポラ
エース・トラッポラ
“例の子”に会いに行くのか?
二人が話をしていると、同じクラスでハーツラビュ寮生であるデュース・スペードが「例の子?」と会話に入ってくる。
私の肩に乗って居たグリムが「同性の友達だと」と短く答えると、「同性?何処で知り合ったんだ?」と更に聞かれる。
エース・トラッポラ
エース・トラッポラ
学園長から外出許可もらって街に行った時だって。ミステリーショップに無い生活必需品を街で買いに行って、迷子になった所にその子が来たみたいでさ。
知り合って、意気投合して仲良くなったんだと
デュース・スペード
デュース・スペード
外出許可って、いつの間に……
エース・トラッポラ
エース・トラッポラ
俺も街行って遊びてー
あなた
あなた
僕、別に遊びに行ってる訳じゃなくて、あくまで切らしそうな必需品買いに行く為に、土地勘あるその子に案内してもらうだけだよ
エース・トラッポラ
エース・トラッポラ
それでも十分“遊び”っしょ?必需品切らした〜って適当な理由付けて街に行けば後は自由じゃん
あなた
あなた
ならエースも僕に文句言う前に、適当な理由付けて街に行けばいいんじゃないのかな?
グリム
グリム
お前等相変わらずなんだゾ。
んな事で喧嘩すんなよ
エース・トラッポラ
エース・トラッポラ
してない!
あなた
あなた
してない!
デュース・スペード
デュース・スペード
まぁまぁ……。けど、街に行かないと買えない生活必需品って何だ?ミステリーショップでも買えないって相当だな。
あそこ、割となんでも揃ってる筈なのに
デュースの疑問に対し、エースが「あなたも一応女子だからな。男子には必要ない、女子に必要な物も色々あるんだろ」と話すと、デュースは何故か時間差で頬を赤く染めて「な、なるほど」と納得する。
エース・トラッポラ
エース・トラッポラ
マジかよお前。何想像したんだよ。女子慣れしてないからってさぁ……変なもん考えたんじゃねぇの?
デュース・スペード
デュース・スペード
なっ……!
あなた
あなた
(聞いてる私が恥ずかしくなってきた)

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