第6話

ジョンハンと炒飯と罠
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2021/01/19 17:15
ジョンハン
あなたー。
あなた
はいー。
ジョンハン
今日歯ブラシ買ってきといてー。
あなた
はーい。
ご飯を作っていると、リビングのソファに腰掛けているジョンハンの声。

足を組んでスマホを見ながら、なおかつ無表情である。いつもの光景。
ジョンハン
あなたー。
あなた
はーい。
ジョンハン
今日こないだのクリーニング取りに行っといてー。
あなた
はいー。
今日は、ジュンが炒飯を食べたがっていたのでこれから炒飯を作る。

今日は中華の日。

ジョンハン
あなたー。
あなた
はーい。
ジョンハン
今日白い靴下買っといてー。
あなた
はいー。
メンバーにご飯できそうですよとメッセージを送る。

バーノンからスタンプの返事がきた。
ジョンハン
あなたー。
あなた
はいー。
ジョンハン
今日トマト買ってきてー。
…頼みごと、多すぎない?
あなた
…はい。
ジョンハン
ふははー!やーい、今イラっとしたでしょー!やっと顔に出たー!

チラッとジョンハンを見ると、私を指差して「怒った怒った」と言って笑っている。

黙って見ていても、ジョンハンはニヤニヤしたままで。持っていたスマホをテーブルに置き、こちらへ近づきキッチンのカウンターにもたれ掛かる。

ジョンハン
あなたがいつになったら怒るかなーってみてたんだよ。
あなた
怒ってはないけど。
ジョンハン
イラッとはしたでしょ?
あなた
うん、ちょっとだけね。
ジョンハン
顔でわかったよ。
「くへへ」と子供のように笑いながら、両手で交互にツンツンするように私を指さす。

ジョンハン
まぁ頼み事は全部本当なんだけどねー。
あなた
えー…
本当に、少しだけイラッとした、もう一度。
ミンギュ
うわーーー。いい匂いー。

ご飯のメッセージを読んだのか、お腹を空かせたミンギュがリビングに来た様子。

美味しそうと何度も言ってくれる反応が、正直とても嬉しい。
ミンギュ
あなた、ありがとう!まじで、もっとお腹空いてきた!
あなた
あとバーノンとジュンと…
ミンギュ
ふーん、結構来るんだね。なんかすることある?
あなた
ううん?
ジョンハン
おーい、ミンギュ、今俺があなたと話してたんだよ。
ミンギュ
え!なに?俺邪魔した?ごめん!
あなた
大丈夫、全然邪魔じゃないよ。
ミンギュ
ほんと?良かった。
ホッと胸を撫で下ろすミンギュ。料理が並べられたテーブルを前に、ニコニコと微笑みながら座る。

ジョンハン
あなたー。
今度は私の隣にたち、顔を覗き込むジョンハン 。
あなた
はい?
ジョンハン
いつもありがとう。
あなた
なんかわざとらしい。
ジョンハンを睨みながらそういうと、「バレた?」といいながら笑っている。
ジョンハン
でもミンギュより俺の方が、あなたに感謝してるよ。
あなた
んー…
この人は、どこまでが本気で何が嘘なのか、本当にわからない人だ。

ミンギュ
ヒョン、なに?なんか言った?
ジョンハン
悪口だから気にしないでー


ジュンの、「今日外食することになった」というメッセージが目に入った。

炒飯…作ったのに。



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