第14話

ジュンとケーキといたずらと
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2021/02/24 10:00
ジュン
ねぇー、あなた!一緒にこれ食べよー?
あなた
ん?
午後3時。

ダイニングテーブルに座り本を読んでいると、キッチンにきたジュンが声をかけてきた。
ジュン
今日貰ったんだけど…

そう言ってジュンが取り出したのは、美味しそうなチーズケーキ。

ちょうどおやつの時間だからか、思わず目を奪われる。
あなた
いいの?
ジュン
うん!わーい!食べよー!
私が頷くと、ジュンは嬉しそうにダイニングテーブルにケーキを置き、フォークをとりにキッチンへ向かった。

2人きり。向き合って座る。
ジュン
いただきまーす。
あなた
いただきます。
ジュン
ん。おいひぃ。
あなた
おいしいね。
ジュン
あなた
もぐもぐと、咀嚼音だけが響く。

視線を感じて前を向くと、ジュンと目が合う。ニコニコと微笑むジュンに、私も思わず微笑む。
ディノ
わーおいしそー、チーズケーキ?
ホシ
ただいまー
ジョシュア
あれ、2人でおやつタイム?
外食組が部屋に戻ってきた。

私とジュンを見て一言ずつコメントしながらリビングに向かう。
ジュン
うん、まじうまいね、これ。
ジュンは黙々と食べ続けながら頷いている。

ジュンの唇の辺りにケーキの食べカスがついているので、手を伸ばすとジュンがハッと気づき顔を上げる。
ジュン
ふは、食べカスついてる?とって?
少し首をのばしてきたジュンの要望に応え、ケーキの食べカスを手で触って取った。
ホシ
ねぇねぇ、今思ったんだけどさー。
ディノ
なに?
ホシ
ジュンってあなたにめっちゃ心開いてるよね。
ディノ
うん、それはどうみても。
ジョシュア
たしかに、他の女性と話してるの、そんなに見たことないかも。
ホシ
だよね、あなたくらいでしょ。珍しいよね。
ディノ
うん。…え、え?ヒョン!もしかしてあなたのこと好きとか!?
リビングからの大きな会話。

そしてディノからの急な問いかけに、2人で顔を向ける。
ジュン
ん?好きだよ?
あなた
え。
予想外のジュンの言葉に、全員固まって、時が止まったかのように静かになる。
ジュン
なに?好きだよ、彼女になって欲しいくらい。
ディノ
…ヒョン…
ジュン
ダメなの?
私も少しパニックで、思考回路停止になり、ジュンの方を見れない。
ホシ
…おぉ、おぉ、あなた、、顔真っ赤じゃーーーん。ははは、
ジョシュア
わ、本当だ、真っ赤!
ディノ
あなた…あなた!照れてるの!?
あなた
…え、いや、
普通、照れないの?


目の前のジュンをチラッと見ると、フォークを口に挟んだまま、歯を見せてクスクスと、いや、イヒヒッと笑っていた。


ジュン
本当だよーん
ホシ
まじ、あいつ、時々怖いよなー。ひょいって、人の好きな人とかとっていきそう。
ジョシュア
わかる。
ディノ
わかる。…ん?人の好きな人?…もしかしてヒョンも、…あなたのこと好きなの?
ホシ
え!は?いや、たーとーえーば!

リビングから聞こえるゲラゲラ笑い声。

私は真っ赤なまま席を立って2人分のフォークを洗いに行った。


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