今日はドライなみっくんだ。
いつも、人格がコロコロと変わっていて一緒にいて退屈しない。
そして、1人で電車で帰る。
優しいみっくんの日は送ってくれる。
けれど、今日はドライな日。1人でこの暗い中帰る。
自然とため息が出た。
翌日、早朝にスマホが鳴った。
今日は甘えん坊の日かな。
張り切って私の家まで来てしまったらしい。
支度を済ませ、素早く家を後にした。
乗ると急に私の手を握ってきた。
みっくんも楽しかったらしくウキウキとしながら次乗る物を決めていた。
私が先を歩いていると、裾を後ろから掴まれているようだった。
少し拗ね気味だったけれど、観覧車へ乗るとコロっと態度が変わった。
迎えから隣へと移動してくると早速私の頬にキスを落としてきた。
すると、私の膝に頭を乗せてきた。
私の事を下から見上げてニコニコと笑っていた。
すると、状態を少し起こし私の唇に唇を密着させてきた。舌が入り込むと力が一瞬で抜けて行くのを感じた。繋いでいた手が離れてスルスルと私の胸へと運ばれた。
息がつまり声が出た。
体が元の姿勢に戻り私の目を見て言ってきた。
私の事を勢いよく締め付けるように抱きしめてきた。
耳元で、聞こえる声はいつも以上に優しくて心地が良かった。
手を繋いだまま家へと帰り、そっと夜が更けるのを待った。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!