第4話

手紙
25
2019/07/15 02:07
それからはまるで少女漫画のような日々だった。彼は毎日この病室に通うようになった。
退院すると、私は彼の家に住むことにした。
彼が提案してくれたのだ。
しばらくの間、天界のことなんか忘れて彼とふたりで幸せに暮らしていた。

まあ、罪を犯した私が幸せになんてなれるわけ無かったのだが。


ある日、私は彼、瑛太さんと買い物に行った。
その帰り、いつもの道を歩いていると、
「キャーーーーーーー」
「どけどけどけどけ!!!!!」
「なっ!?」
後ろから刃物を持った男が走って来た。
その男は私に向かって走ってきた。
「柚!!!!」
「あっ、、、」
動けなかった私をその男は刺した。
お腹が熱い。たっていられなくなってその場に倒れた。
男は刃物を私に刺したままいなくなった。
彼が必死に私になにか言っていたが、聞き取ることは出来なかった。
(ああ、やっぱり神様は許してはくれないのね)
体から血が無くなっていく。
少しの間でも、この人と一緒に過ごせてよかった。
最後に、伝えなければ、、!
「柚!柚!!」
「、、えい、、たさ、、。わたし、、あなたに、、言ってない、、ことが、、あるの、、」
「喋るなっ、、血が、、」
「押し入れの、、中の、、私の、棚の下に、、、手紙があるわ、、。そこに、、全てかいて、、ある、、。」
「柚、、、嫌だ、、死ぬなよ、、」
「愛してる、、、この世の中で1番、、、」
「柚!!!!!」
ごめんなさい、瑛太さん。
あなたが泣いてしまうなら、私はあなたに会わないまま暮らしていたのに、、。







「はあ、、。」
柚は死んだ。あの通り魔はその後捕まった。
彼女と一緒にいた時間はすごく短かったのに、一人でいる時間の方が長かったのに、、、。
一人がこんなに寂しいなんて。
彼女に会ってからの人生は幸せそのものだった。
「押し入れの、、棚の下、、、。」
行きも絶え絶えに彼女はそう言った。彼女はいったい、僕に何を伝えようと、、?
「これか、、、」
そこに書いてあることは、自分の想像をはるかに超えるものだった。
















--------キリトリ線--------
誤字脱字あったらごめんなさい。
読んでくださってありがとうございました。

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