第6話

君のいない世界
31
2019/07/28 06:25
「、、、う"っ、、んー、、」
目を開けると、知らない場所にいた。
真っ暗だが、所々赤い光がある。
「あれ、、、私、、死んで、、?」
「おはよう、柚。」
「え?」
後ろからの声にすごく聞き覚えがあった。
温かくて、優しい気持ちになる。
「か、かあ、、さま、?」
恐る恐る振り返ると、そこには
「柚、元気にしてた?」
「かあ"ざまあ"っ!!!!」
あの頃と何も変わらない母がいた。
「母様っごめんなざいっ!!わだじのせいでぇっ!!!」
「いいのよ、柚。私、あの世界に飽き飽きしていたの。ちょうど良かったわ」
「ううっ、、ひくっうぐっ」
「あらあら。あなたがこんなに泣くの、初めて見たわ。」
そう言って、母様は私を優しく抱きしめてくれた。
「じゃあ、またね柚。」
「もう、行ってしまうの?」
「ええ。私が行く、、というか、あなたがここから居なくなるのよ。」
「、、、え?」
「今はただ、お許しをもらって会っているだけ。あなたはもうすぐ生まれ変わるの。」
「え!?そ、そうなの、、。わたし、みんなのこと、忘れてしまうの?」
「、、、そうね。もしかしたら、覚えているかもしれないわ。」
「、、、ありがとう母様。」
「愛してるわ、柚。」
(ああ、最後にあの人にお礼をいえたらよかったのに。)
あの人のいない世界なんて、なんの意味もないのに。生まれ変わったらきっと、あの人のことは分からないんだわ。










「柚、、、、、」
手紙を最後まで読み、自分が泣いていることに気がついた。
信じられないが、ほんとなのかもしれない。
彼女は神様だったのかもしれない。
でも、僕は彼女の身分にひかれたんじゃない。最初は顔に惹かれていたが、僕は、彼女自身が、彼女のいい所も悪いところも全てが好きだった。
「せっかく会いに来てくれたのに」
涙はとめどなく流れつずけた。
柚のいない世界なんて、、
(もっと君と一緒にいたかった。)















「神殺しは大罪である。」
「、、わかってるわよ。死刑にでもなんでもしなさいよ。」
「よって、死刑にs」
「っ!」
私は走り出した。
こんな所で死んでたまるか!!
こんな所で、、天界なんかで死んでたまるか!!
「逃げたぞ!!」
「とらえろ!!」
私はそのまま走って走って
雲から飛び下りた。
もちろん、羽衣は脱ぎ捨てて。
「どうしますか!?」
「くっ、、、仕方がない。地上に降りたら殺せ。」
「はっ!!」


(きっと、直ぐに殺されるわね。)
あの馬鹿どもが考えることなんて簡単にわかる。
ならば、、、
私は落ちながら、手足を動かして海の方に向かった。
幸い、周りに島らしきものも、船もない。
「ざまあみろっ!!!!!!!!」
高いところから飛び込むと、すごい衝撃なのだと聞いたことがある。
だから、確実に死ぬことが出来る。
姉様のいない世界にもう用はない。ただ、
(最後に一目でも姉様を見たかった。)






「どうされますか?あの3人の命」
「、、、二度と合わせないように。」
「かしこまりました。具体的には」
「柚は、、、あの家に。あの男は、、、、まあ、こやつは悪くないからなあの家。小夏は、、、あの家にでもやれ。これで、やつらは二度と会うことはなかろう。」
「直ちに手配致します。」








これは、人間の男に恋をした、とある神様の話























--------キリトリ線--------
読んでくださってありがとうございました。
誤字脱字あったらごめんなさい。

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