2人はとても困惑していた
ローズラットが死んだのだ
そしてこの状況
美海達がいる
そうだ全員の服が本の中に居たのと同じ服なのた
それはまるであの経験が夢ではないと物語っているようだった
愛斗が急に叫んだ
本はいつの間にか幸之助の腕の中にあった
幸之助が表紙に手をかけた
時が忠告する
幸之助がバッと表紙を開く
2人が驚く
それも無理はない
何せ
表紙を開いたらあった
美しい女性の絵は
ローズラットが首にナイフを刺す瞬間に変わって
居たのだから
かいなが答えた
颯之介が戸惑う
美月が悔しそうに呟く
なにか感じる?
と時に幸之助が問いかけた
時が震えている
その時全員が息を飲んだ
時はこう見えても世界で5本指に入る実力を持っている
その時が震えている
ただ事じゃないのがわかった
時がガクガク震えながら喋る
愛斗が恐る恐る問いかける
美海も軽く震えている
その場にいた全員から間抜けた声が上がる
2人が時にそういった
そりゃそうだ
強い呪いや魔法どころか何も無いのだ
なんで時はそれを恐れているのだろう
若い魔法使いと異世界から来た人間には分からなかった
時が早口でそういった
それもそうだ
よく考えてみればおかしい
そんな魔法がかかっていたなら
美海たちはともかく
この本を買った幸之助が気付かないはずない
確かに実力時には及ばなくとも
彼等も魔法使いだ
少量の魔法ならまだしも
こんな巨大な魔法
気付かないはずないじゃないか
それに気付いた時
全員が息を飲んだ
かいなに問いかけられるが
時は俯きそう返す
……
………………
…………………………
しばらく沈黙が続く
永遠に続くかと思った沈黙を破ったのは愛斗だった
颯之介が幸之助に問いかけた
幸之助が少し悩んだあとそういった
幸之助がいたずらっ子みたいに笑いながら
そう言った
皆がもちろんと頷いた
そしてこの摩訶不思議な物語は幕を下ろすのでした
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。