第10話

9話
25
2022/10/07 17:48
幸之助
は?
クロハ
どういうこと?
2人はとても困惑していた
ローズラットが死んだのだ
そしてこの状況
美海
え?なんで私此処にいるの?
美海達がいる
それにこの服って……
美月
あっちにいた時と同じ服ですね……
そうだ全員の服が本の中に居たのと同じ服なのた
それはまるであの経験が夢ではないと物語っているようだった
愛斗
そうだ本!本だよ!どうなってる?
愛斗が急に叫んだ
幸之助
確かにそうですね……
本はいつの間にか幸之助の腕の中にあった
クロハ
開くか?
幸之助
開こうか……
幸之助が表紙に手をかけた
また吸い込まれるかも知れないから警戒して
時が忠告する
幸之助がバッと表紙を開く
クロハ
え?
美月
これって
2人が驚く
それも無理はない
何せ
表紙を開いたらあった
美しい女性の絵は
ローズラットが首にナイフを刺す瞬間に変わって
居たのだから
アルト
変わってる……
変わってるって一体なにが?
かいな
これローズラットさんじゃなかった知らない女性だった
かいなが答えた
颯之介
え?ローズラットさんじゃないってなに?
颯之介が戸惑う
美月
私にもさっぱり
美月が悔しそうに呟く
幸之助
時さんはどう?
なにか感じる?
と時に幸之助が問いかけた
これ……やばいかも……
時が震えている
その時全員が息を飲んだ
時はこう見えても世界で5本指に入る実力を持っている
その時が震えている
ただ事じゃないのがわかった
この人数を吸い込んでいる時点でヤバいはずなのになんで……
なんで私は気付かなかったの?
時がガクガク震えながら喋る
愛斗
そんなにやばいんですか?
愛斗が恐る恐る問いかける
美海
そんなにやばい魔法でもかけられてるんですか?
美海も軽く震えている
違うその逆よ
何も感じない……
全員
え?
その場にいた全員から間抜けた声が上がる
クロハ
え?それってどういう事なんですか?
そんなにヤバそうには感じませんよ?
2人が時にそういった
そりゃそうだ
強い呪いや魔法どころか何も無いのだ
なんで時はそれを恐れているのだろう
若い魔法使いと異世界から来た人間には分からなかった
よく考えてみなさい!
なんにも無いのだったらなんで私達を本の中に吸い込めると言うの?
私達全員がこの本が開かれた幸之助の家の近くだったとはいえ
この人数を吸い込む程の魔法が発動したのなら
誰も気付かないなんてありえないでしょう?
時が早口でそういった
それもそうだ
よく考えてみればおかしい
そんな魔法がかかっていたなら
美海たちはともかく
この本を買った幸之助が気付かないはずない
確かに実力時には及ばなくとも
彼等も魔法使いだ
少量の魔法ならまだしも
こんな巨大な魔法
気付かないはずないじゃないか
それに気付いた時
全員が息を飲んだ
かいな
え?じゃなんで私達を吸い込んだの?
分からないわ……
かいなに問いかけられるが
時は俯きそう返す
……
  





………………
 


…………………………
しばらく沈黙が続く
愛斗
この本……どうする?
永遠に続くかと思った沈黙を破ったのは愛斗だった
颯之介
確かにどうするの?
颯之介が幸之助に問いかけた
幸之助
うーん…………一旦お母さんに言ってみるよ
幸之助が少し悩んだあとそういった
幸之助
そうだもしかしたら嘘だと思われるかも知れないから
幸之助
その時は皆も本当だって言ってね?
幸之助がいたずらっ子みたいに笑いながら
そう言った
皆がもちろんと頷いた
そしてこの摩訶不思議な物語は幕を下ろすのでした

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