第14話

記憶
755
2018/03/22 16:30
もうすぐで私の家に着く。



"じゃーね"



そう言おうとした時、シルクが突然口を開いた。
シルク
だからさ?
あなた

…ん??

シルク
あー…えっと。
あなた

なに…?

シルク
えっとね。

突然話し出したかと思うと
肝心なところは言えない様子のシルク。




この場合、どうすれば…?




私は、取り敢えずシルクが続きを話してくれるのを待った。
シルク
えっとね?さっきの話の続き。
あなた

さっき?あぁ、梨寧の?

シルク
そう。だからさ、気持ちを伝えます。
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·





















































シルク
あなた。ずっと前から好きでした…!
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あなた

…え?

訳が分からず戸惑いを隠せない。


そんな私の心を見透かしたように
話を続けるシルク。
シルク
お前の家、ここだろ?
あなた

えっ、あ、うん。

シルク
俺、幼稚園の時ここ住んでたんだ。
そう言って隣の家を指差す。
あなた

隣…?













少しずつ蘇る記憶。



"大丈夫?"



初めて男の子に優しくされた日。




それからは毎日一緒に遊んだっけ。



彼が引っ越してしまった時は、本当に寂しかった。



"すぐ戻ってくるから"


その言葉を信じて、1人で家の前で待ってた。




どうして今まで忘れていたんだろう?





小さい頃の記憶と、


また会えたことの嬉しさで


視界が歪む。
シルク
あーぁ、まだ泣き虫さんか?
あなた

う、うるさい。
泣いてなんか…

シルク
はいはい。
そう言いながら、抱きしめてくる。





幼い頃の温もりを思い出し、涙が溢れて…









あなた

私も…すき。










やっと、それだけ言えたー。

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