- - - - urt side - - - - - - - - - -
ここ数日さかたが俺のことを訝しげに見てる気がする。
やっぱりバレるかな…
バレたくないな…
バレたらもうさかたとは居られなくなる。
だから、坂田にバレないように、今日のライブリハ、頑張らないと……
本当はSubdrop寸前だし、体調だって良くない。
抑制剤もいちばん強いの飲んでても最近はもう気休め程度の効果しかなくて。
ほんとはね、俺、さかたに命令されたり、尽くしたりしたいんだよ。
でも出来ないの。
" 僕 " はダメなSubだから。
さかたに捨てられたくないんだよ。
だから気づいても言わないで。
お願い。
分かってた、いつかバレる日が来ることは。
それを俺の口から言わなきゃダメなことは。
でも、今は、今だけは、まだ坂田の隣にいさせて。
バレないよう取り繕って、悪あがいてでも、さかたのSubで居たいの。
僕の過去なんて、絶対にさかたに知られたくない。
知られた瞬間、僕達の関係は終わるから。
だから何がなんでも隠し通すって決めたんだ。
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やっぱりさかたに疑われてる。
しっかりしなきゃ。
また捨てられる……っ…
それだけはやだ…さかたに、捨てられるのだけは…
今は隠し通さなきゃ。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!