第12話

雲のはたて
70
2021/02/23 06:37
 ──遅くなって、ごめんな



 青葉が

 美空姉ちゃんが眠る場所で
 手を合わせた。
 

 清々しいほど晴れ渡るみ空からの
 木漏れ日が青葉をそっと包む。
_ 堤 天子@つつみ そらこ_
堤 天子つつみ そらこ
姉ちゃん──
 青葉は立ち上がると
 手を首の後ろに回し
 朗らかに微笑むと、

 「じゃ、行くか」と言った。
_ 堤 天子@つつみ そらこ_
堤 天子つつみ そらこ
え? 他どこに?
_ 紫川 青葉@しがわ あおば_
紫川 青葉しがわ あおば
完成させるんだろ?
_ 堤 天子@つつみ そらこ_
堤 天子つつみ そらこ
え? なにを──
_ 紫川 青葉@しがわ あおば_
紫川 青葉しがわ あおば
カッパ
_ 堤 天子@つつみ そらこ_
堤 天子つつみ そらこ
え!? まじで
 こんなに溢れ出すような
 嬉しさが込み上げたのは初めてかもしれない。


 ──姉ちゃん、いいんだよね?
_ 紫川 青葉@しがわ あおば_
紫川 青葉しがわ あおば
転ぶなよ
 思わずはしゃいで青葉の腕にしがみついた。



 煙草くさい12歳上のオジサンでも──


 たった1人の、幼なじみで、
 初恋の人。





 でも
 青葉は、



 昔も




 今も





 そしてこれからも


 
 美空を思ふ──。




 たなびく雲が旗を振る。
 それは届かない手紙のよう。


 どうして道は一方通行なんだ。

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