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由実へ
まず謝らせて欲しい
本当にすまなかった…
俺は由実みたいな才能が無かったから
羨ましくて,あんな酷いことを言ってしまった
ごめん
俺は由実が嫌いだと言ったけど,本当は嫌いなんかじゃない
俺の可愛い妹だ
でも,そんな妹を傷つけた
許してくれなくてもいい
本当は由実の目を見て謝りたかった
でも,できない
俺は今,手紙を書きながら首を吊る紐を天井につけている
俺,もう逝かなきゃ
最期にもう一度由実と話したかったなぁ
じゃあね
由実,大好きだよ
霧人より
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。