第8話

8. 先輩はヤキモチ焼き①
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2018/01/25 14:59



翔side ..










『奪おうと思っても無駄だからな』




俺が如月由真とすれ違った時に、

あいつにいった言葉。




この言葉を聞いた如月は、

なんとも言えない表情をしてた。




__________わかりやすいんだよ。

如月って奴が、あなたのこと好きだって。




俺と、あなたが話してるとき、

あいつがこっちをじっと見てたことも、

あなたと話してるとき、あいつが何よりも嬉しそうにしてるのも。




そんな如月をみても、

あなたは「由真は私のこと嫌いだ!」って。




鈍感すぎて逆にすごい。




さりげなく、あなたの手を掴んで、

手を繋いでみて平然を装ってるけど、

本当はすごいドキドキしてる。





「あなた、帰りどこか行きたいところある?」




俺が、あなたに聞くと、

あなたは「んー…」とだいぶ悩んだ顔をしてた。




悩んでる顔も可愛い。



「特に…ないです」




やっぱりないかぁ。

だからと言って、このまま帰りたくない。



好きだったあなたを彼女に出来た日。

ちょっとどこかに寄り道したい気分だった。




女子って甘いものとか好きなのかとか、

どこか行くところはないか、と悩んでいる時……




「お、あなたじゃんー」




少し遠くからあなたを呼ぶ声が聞こえた。

__________男の声。





「あ、タッキー!」




あなたはその声をきくと、

嬉しそうにそいつに手を振った。


その瞬間、自然に離された俺とあなたの手。



__________あぁ、あまりいい感じしないな。


誰だこいつ…。




「ん、あなた。隣にいるのはカレシー?」



タッキーとかいう奴が俺のことをみて、

笑いながらそう言った。




あなたは少し困った表情して「えっと…」ってオドオドしている。




彼氏!って言い切って欲しかったけど。

付き合って数時間だからまだしょうがないか。




俺は、あなたの後ろにまわりこみ、

後ろからあなたに軽く抱きついた。



ビクッと少し震えたあなた。

__________あぁ、かわい。




「あなたの彼氏です、あなたの中学生の友達かな?」




とあまり違和感がないように言う。

高校にこんな奴見たことないし、

多分あなたの中学の友達なんだろう。




「あ、やっぱりあなたの彼氏でしたかー!あなたをよろしく頼みますねっ!」




嬉しそうにニコニコして、タッキーという奴は言った。

よろしく頼みますねって、こいつはあなたの何なんだ…。と少し思ってしまう。




「じゃ、俺そろそろ行くわ!」



「タッキーばいばいっ。美奈と仲良くするんだよ〜!」



「おーう!ありがとな!」





そんな会話をして、
タッキーという奴は消えていった。


なんだ、彼女持ちだったのか。



あなたに近づく男全員に敵対心を抱いて、変に嫉妬心を燃やしてしまう。



……あぁ、俺ってかっこわる。


それでも、あなたが魅力的な女という事にはかわりないし、

俺の独占欲がなくなることは無い。



むしろ、好きになればなるほど、

付き合えば付き合うほど、

どんどん強くなっていくと思う。




「あなた」



俺があなたの名前を呼ぶとあなたは急いでこっちを振り返った。



「クレープ…食べに行く?駅前に新しい店がオープンしたらしいし」



あなたから前甘いものが大好きだという話を聞いていたから、

無難にクレープ店ならどうだろう、と思った。



あなたの顔を見てみると…、

めっちゃ目が輝いてる。

本当に好きなんだな、甘いもの…。



「い、行きますっ!」



嬉しそうに答えるあなた。



あー…可愛い。

そう思って、再びあなたの手を握ってクレープ店に向かった。





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