第32話

32. 勝ち目あり?否。②
910
2018/04/21 15:18



「このパフェ美味しそう…」


「あなた、食べに来たんじゃなくて私達は遠足の買出しに来たのよ」


「…そうでした」




ついつい美味しそうなものに目移りしてしまう。

そんな私の様子を見て、遊佐はクスッと笑った。



「あなたちゃん、甘いもの本当に好きなんだねっ」

「うん、大好きっ」



甘いものは本当に美味しいっ。

そう思って遊佐を見ると、
遊佐の表情が少し固まっていた。

……あれ、なんか変な事言ったかな。



「あ、あぁ、美味しいもんねっ」



少し間をあけて返事する遊佐。
なんか考え事でもしてたのだろうか。





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遊佐side







「うん、大好きっ」



自分に言われたわけでもないのに、一瞬ドキッとしてしまった。

…甘いものが大好きなんだよね、
……甘いものがっ。



そんな俺の態度を見て、
幾田は「確定ね」と言った。

どうやら俺があなたちゃんのことを好きなのを分かったらしい。



……由真も薄々気付いてはいると思う。
由真は、何人も俺の他の女への態度を見てきたから。


だけど何故か気づいてない…と言うよりは、
気づかないフリをしてるというか。
由真なりの思いやりなのだろうか。
それとも_____




「ほんと、あなたは食い意地が強いよな。本当に女なん?」

「それ、めっっちゃ失礼!」

「あー、ほらほら喧嘩しないの、2人はいつもそうなんだから」





由真とあなたちゃんの距離って近い気がする。

幼なじみ…らしいけど、
由真が女とワイワイしてるのはあまり見ない。

何人か俺と関係を切った女が、
由真にアピったらしいけど効果はなかったらしい。



…考えすぎか。





「由真も少しは遊佐の優しい所見習った方がいいよっ」

「あ?遊佐は俺より全然腹ぐr__ムグッ」




話の流れで俺のことを喋り出す由真の口を慌てて塞ぐ。

できれば、俺の悪いところはあなたちゃんに知られたくない。






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