第17話

17.先輩のライバル⑤
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2018/02/16 16:22









「っふぁあ…」




「でっけぇー欠伸…」





「う、うるさい…」






リビングのソファーに横になって、

欠伸してスマホをみてたら、

この恥ずかしい姿をお兄ちゃんに見られてた…。







「で、今日の朝の人は誰なわけ?」




「…?」





お兄ちゃんが私のスマホをヒョイっと取り上げた。




「あ、返して!」




ちょうど翔先輩と会話中だったのに…。





「で、誰なの?」



「か、れ、し、!」





そう言って、私はソファーから体を起こし、


お兄ちゃんからスマホを奪い返した。





んっと翔先輩に返信…。



……あれ?




私のスマホの通知欄には、

翔先輩じゃない人からの通知が入っていた。





遊佐…。


……あっ、一ノ瀬くんか!





「……ついにあなたにも彼氏か」





お兄ちゃんは1人でボソボソと喋りながら、


ひたすらお煎餅をかじっている。






『やっほ!あなたちゃん!グループから勝手に追加しちゃった。ごめんね?』





まぁ、隣の席になったから追加くらいおかしくないか。





『大丈夫だよ、よろしくね!』という内容の文を送っておく。






あーあ……お兄ちゃんのせいで翔先輩から返信こない。



といっても、お兄ちゃんのせいではなく、翔先輩がお風呂とかご飯中なだけだろうけど…。






「お兄ちゃんはさっ」




死んだような目をしてお煎餅をかじっているお兄ちゃんに話しかける。




「彼女とか……できないの?」





ストレート過ぎたかな、とも思うけど兄妹なんだから遠慮する必要はないと思う。




お兄ちゃんの顔はまあまあイケてると思うし、


割と頭もいいし、運動もできる。




……から、彼女がいてもおかしくないと思うけど。





「あ?今はいねぇけど、あなたより100倍可愛い彼女見つけて紹介してやるよ」





お兄ちゃんは少し機嫌が悪そうに言った。


そもそもなんで私基準なのか…。


……私に先越されて怒っちゃったのかな?





「へぇ…楽しみにしてるねっ?じゃあ、明日お兄ちゃんより100倍かっこいい彼氏が迎えに来るからそろそろ部屋に戻るねっ!」







精一杯の嫌味をお兄ちゃんに言って、


リビングから出て行き、


リビングの扉をバタンと閉めた。






言いすぎたかな…と思うけど、

まぁ、どこの家の兄妹もこんな感じだよね!






翔先輩も忙しいだろうし、


もう今日は早めに寝よう…。






そう思って、部屋の電気を消した。

























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