第47話

まさに初心者マーク
7,098
2021/01/13 11:52
あなた
助かった、ありがとう。
はだけたシャツのボタンを留めながら4人にお礼を言う。
田中龍之介
そ、その…最悪の事態には、なってないんスよね?
あなた
最悪の事態、?
月島蛍
初めてがレイプなんて胸糞悪いじゃないですかホラ。
あなた
ああ、そういうことね。それは大丈夫。
東峰旭
よかった…
澤村大地
岩依澄くん、すっかり伸びちゃってるな…
澤村に首根っこを掴まれている岩依澄は、元々気が強い方では無いらしく、現れた4人に恐怖し気絶していた。
藍原に覆い被さっていた岩は田中に殴り飛ばされ、身長約190cmの月島にゴミを見るような目で見下ろされ、目のすわった澤村に笑顔で声をかけられ、東峰に「君名前は?」と尋ねられた途端、あまりの迫力に気絶した。
月島蛍
田中さんに殴り飛ばされた勢いでどっかぶつけちゃったんじゃないですか?
田中龍之介
おお月島よ、それ言うなら旭さんの尋問がきっとトドメだぜ?
あなた
旭に声かけられたら気絶する気持ちも分かる。
東峰旭
おい、お前らそんなこと言うなよ〜…
とりあえず首筋に付けられた痕を手でさすりながら隠していると、月島は顔を背けながらそっと絆創膏を手渡してきた。
あなた
あ、ありがと。
澤村大地
気が利くなあ、月島は。
月島蛍
別に…それ見てるとなんかイライラするんで。
田中龍之介
もしかして絆創膏持ち歩いてんのか?!
月島蛍
いえ、怪我してるかもしれなかったんで、咄嗟に持ってきただけです。
あなた
心配してくれてありがとう、のっぽくん。
藍原のその言葉に何やら不満そうな月島。
月島蛍
その呼び方やめてくれません?
あなた
うーん確かに悪口染みてるね、
あなた
ツッキーでいい?
1番仲のいい山口からツッキーと呼ばれていることを思い出し、それでいいかと確認を取ると、顔を少し赤らめて「お好きにドウゾ」とのことであった。
東峰旭
(あの月島がデレた。)
澤村大地
(藍原強し)
あなた
さて岩くん、どうします?
田中龍之介
武ちゃん怒ると怖いんで、武ちゃんに突き出してやりましょ!!
澤村大地
うん、それが1番だな。
と言うことで、岩依澄くんを武田先生の元へズルズルと運んで行き、藍原達は遅れて部活に合流したのであった。
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部活が終わり、家への帰路を辿っている最中も、首筋がヒリヒリと痛んでたまらない。


キスマを付けるのに慣れている及川と違ってきっと彼は初心者。


綺麗な内出血では無く、なんとも痣のようになっていて道理で痛いはずだ。


はあ…と大きなため息をついて、家の玄関の扉を開けた。
それと同時に鳴り響いたのは、藍原の携帯だった。

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