※お話を始める前に
本編の時間設定を一部変更します。
残り時間「10分」→「30分」へ変更となります。
ご了承ください。
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生きる選択肢が、刻一刻と削られていく。
冷たい機械音と、一定のリズムで刻まれる心電図。
その間で、兄たちはただ祈ることしかできなかった。
和也は、流星と謙杜のベッドを交互に見つめながら、何度も唇を噛みしめた。
兄ちゃんら、待っとるんや……
恭平は丈一郎の服をぎゅっと掴み、声を殺して泣いていた。
そして、駿佑は流星の隣のベッドに横になり、眠れないまま小さな背中を見つめていた。
やがて、面会時間の終了を告げる声が響く。
″本日の面会は、ここまでになります″
丈一郎は一瞬、反論しそうになったが、和也がそっと首を振った。
誰一人、納得していなかった。
それでも、病室を出るしかなかった。
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家に戻っても、誰も眠れなかった。
それでも、体は限界を迎え、気づけば全員、リビングで浅い眠りに落ちていた。
その十五分後。
病室で、異変が起きる。
流星の隣で横になっていた駿佑が、かすかな違和感に目を覚ました。
小さな手が、微かに動いた。
胸が、大きく上下している。
慌ててナースコールが押され、看護師が駆け込む。
その声と同時に、看護師はすぐに丈一郎へ連絡を入れた。
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深夜の家。
突然鳴った電話に、丈一郎は飛び起きる。
その言葉に、丈一郎は一瞬、息を忘れた。
電話を切り和也を叩き起こす。
大吾も飛び起きる。
和也は、眠ったままの恭平をそっと抱き上げた。
四人は、夜の街を必死に走った。
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病院。
ICUの前で待つと、医師が現れた。
その言葉に、丈一郎はその場にしゃがみ込み、和也は顔を覆った。
検査の結果、大きな異常は見られず、命に別状はないと告げられる。
兄たちは、何度も頭を下げた。
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だが。
その喜びの隣で。
謙杜のベッドだけが、静まり返っていた。
呼吸は弱く、心電図の音が、細く、頼りない。
医師が静かに告げる。
その言葉に、全員の顔から血の気が引いた。
丈一郎は、ゆっくりと謙杜の手を握る。
だが、誰も本心ではそんなことを思っていなかった。
――まだ、終わらせない。
――絶対に、帰る。
祈りは、まだ終わっていなかった。
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。