第99話

守られる側
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2026/03/07 15:20 更新



※96話の続編です。





💛side



目の前がまだぼやけている。

体は重いし、胸の奥もズキズキする。
それでも分かることが一つだけあった。

――あったかい。

俺の周りに、兄ちゃんたちと弟たちがいる。

丈にぃの腕が肩に回っていて、和にぃは俺の手をずっと握ってる。
大にぃはベッドの横で俯いたまま泣いているし、恭平と駿と流星は俺の体にくっついて離れない。
丈一郎
……ほんまに……生きとる……
丈にぃの声が震えている。

こんな声、初めて聞いた。
和也
謙杜……
和也
戻ってきてくれて……ありがとう
和也にぃの手が、少し強く握られる。
和也
……ほんまにありがとう
和也
駿と流星守ってくれて
その言葉を聞いた瞬間、誘拐されたときのことが頭をよぎる。

暗い部屋。
怖がる流星の手。
震えてた駿の声。

俺も怖かった。

正直、めちゃくちゃ怖かった。

でも――
謙杜
……兄やもん
思わず口から出た言葉に、みんなが一瞬静かになる。
謙杜
……当たり前やろ
すると、大吾兄ちゃんがゆっくり顔を上げた。

目、めちゃくちゃ赤い。
大吾
当たり前ちゃう
そのまま、俺の頭をぽんっと撫でる。
大吾
命かけて弟守るんは、当たり前ちゃう
大吾
ほんまに……よう頑張った
胸の奥が、ぎゅっとなる。

丈一郎兄ちゃんも、俺の前にしゃがむ。
丈一郎
怖かったやろ
俺は少しだけ黙る。

……怖かった。

でも、俺が前に立たんとあかんと思った。
丈一郎
でもな
丈一郎
お前が前おったから、駿も流星も助かった
そして、真っ直ぐ俺を見る。
丈一郎
ありがとう
和にぃも頷く。
和也
お前が守ったんや
和也
俺らの弟たちを
その瞬間、胸の奥がいっぱいになる。

誘拐されてから、ずっと思ってた。

怖いとか言ったらあかん。
弱いとこ見せたらあかん。
俺が守らなあかん。

ずっと、そう思ってた。

でも――
謙杜
……よかった
気づいたら、涙がこぼれていた。
謙杜
俺……守れてよかった
和にぃの目もまた潤む。
和也
ほんまにありがとうな
その時、小さな腕がぎゅっと俺にしがみついた。
流星
けんにぃ……
駿佑
……ありがと
二人とも泣きすぎて声がぐちゃぐちゃだ。
謙杜
怖かった?
流星がこくこくと頷く。
流星
……でも
流星
けんにぃがいた
駿も小さく言う。
駿佑
ずっと守ってくれた
その言葉を聞いて、胸の奥が熱くなる。

丈にぃが、ゆっくり立ち上がる。
丈一郎
でもな
そして俺の頭をぐしゃっと撫でた。
丈一郎
もう終わりや
謙杜
……え?
丈一郎
お前が守る時間は、終わり
和にぃも頷く。
和也
今度は俺らや
謙杜
……?
大にぃが、少し笑う。
大吾
お前も
大吾
俺らの大事な弟やねん
三人とも、同じ顔して笑う。
丈一郎
せやから
丈一郎
今度は守られとけ
その言葉に、胸の奥がじんわり温かくなる。

守る側やと思ってた。

強くおらなあかんって思ってた。

でも――
謙杜
……俺
声が少し震える。
謙杜
甘えてええん?
一瞬の沈黙のあと。
丈一郎・大吾・和也
当たり前やろ!!
三人同時。

その声に、思わず笑ってしまう。

和にぃが俺の頭を撫でる。
和也
今までどんだけ守ってきたと思っとんねん
丈にぃが胸を叩く。
丈一郎
ここに兄三人おるんやぞ
大にぃが言う。
大吾
任せとけ
恭平が俺の腕にくっつく。
恭平
ぼくもけんとにぃまもる
謙杜
いや、それは大丈夫や
思わずツッコむと、みんな少し笑った。

久しぶりに聞いた笑い声。

その音を聞いた瞬間、俺は思った。

――頑張ってよかった。

怖かったけど。
痛かったけど。

守ってよかった。

だって今、こんなにあったかい。

俺はゆっくり目を閉じる。

もう大丈夫。

だって俺には、守ってくれる兄ちゃんたちがいるから。















活動休止についてたくさんの温かいコメントをいただき、本当にありがとうございます。
目標達成までお休みすることも考えていましたが、続けてほしいという声をたくさんいただき、とても嬉しく思いました。

その言葉に背中を押していただき、本日より活動を再開させていただくことにしました。

これまで何度もご心配やご迷惑をおかけしてしまい、本当に申し訳ありません。
これからも自分のペースにはなりますが、精一杯頑張っていきますので、温かく見守っていただけたら嬉しいです。

今後ともよろしくお願いいたします。



またファンマを変更いたしましたのでprofileにてご確認ください。

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