※96話の続編です。
💛side
目の前がまだぼやけている。
体は重いし、胸の奥もズキズキする。
それでも分かることが一つだけあった。
――あったかい。
俺の周りに、兄ちゃんたちと弟たちがいる。
丈にぃの腕が肩に回っていて、和にぃは俺の手をずっと握ってる。
大にぃはベッドの横で俯いたまま泣いているし、恭平と駿と流星は俺の体にくっついて離れない。
丈にぃの声が震えている。
こんな声、初めて聞いた。
和也にぃの手が、少し強く握られる。
その言葉を聞いた瞬間、誘拐されたときのことが頭をよぎる。
暗い部屋。
怖がる流星の手。
震えてた駿の声。
俺も怖かった。
正直、めちゃくちゃ怖かった。
でも――
思わず口から出た言葉に、みんなが一瞬静かになる。
すると、大吾兄ちゃんがゆっくり顔を上げた。
目、めちゃくちゃ赤い。
そのまま、俺の頭をぽんっと撫でる。
胸の奥が、ぎゅっとなる。
丈一郎兄ちゃんも、俺の前にしゃがむ。
俺は少しだけ黙る。
……怖かった。
でも、俺が前に立たんとあかんと思った。
そして、真っ直ぐ俺を見る。
和にぃも頷く。
その瞬間、胸の奥がいっぱいになる。
誘拐されてから、ずっと思ってた。
怖いとか言ったらあかん。
弱いとこ見せたらあかん。
俺が守らなあかん。
ずっと、そう思ってた。
でも――
気づいたら、涙がこぼれていた。
和にぃの目もまた潤む。
その時、小さな腕がぎゅっと俺にしがみついた。
二人とも泣きすぎて声がぐちゃぐちゃだ。
流星がこくこくと頷く。
駿も小さく言う。
その言葉を聞いて、胸の奥が熱くなる。
丈にぃが、ゆっくり立ち上がる。
そして俺の頭をぐしゃっと撫でた。
和にぃも頷く。
大にぃが、少し笑う。
三人とも、同じ顔して笑う。
その言葉に、胸の奥がじんわり温かくなる。
守る側やと思ってた。
強くおらなあかんって思ってた。
でも――
声が少し震える。
一瞬の沈黙のあと。
三人同時。
その声に、思わず笑ってしまう。
和にぃが俺の頭を撫でる。
丈にぃが胸を叩く。
大にぃが言う。
恭平が俺の腕にくっつく。
思わずツッコむと、みんな少し笑った。
久しぶりに聞いた笑い声。
その音を聞いた瞬間、俺は思った。
――頑張ってよかった。
怖かったけど。
痛かったけど。
守ってよかった。
だって今、こんなにあったかい。
俺はゆっくり目を閉じる。
もう大丈夫。
だって俺には、守ってくれる兄ちゃんたちがいるから。
活動休止についてたくさんの温かいコメントをいただき、本当にありがとうございます。
目標達成までお休みすることも考えていましたが、続けてほしいという声をたくさんいただき、とても嬉しく思いました。
その言葉に背中を押していただき、本日より活動を再開させていただくことにしました。
これまで何度もご心配やご迷惑をおかけしてしまい、本当に申し訳ありません。
これからも自分のペースにはなりますが、精一杯頑張っていきますので、温かく見守っていただけたら嬉しいです。
今後ともよろしくお願いいたします。
またファンマを変更いたしましたのでprofileにてご確認ください。













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!