第12話

ドアから見た。
22
2021/09/03 23:42










和side








隼弥「和〜!帰ろーぜ!」



隼弥が帰ろうと誘う。

でもごめんね。今日だけは無理なんだ。



和『ごめーん!今日は一緒に帰れない!』



隼弥「えーなんでだよ〜」



和『今日私日直なの。だからやる事あって…』



隼弥「んじゃあ俺もやるよ。」



和『先生から1人でやれって言われてるから…』



2つ目の嘘。



隼弥「えーいいじゃん!」



和『ごめんって!後片付けとか1人の方がやり易いし!ね?』



3つ目の嘘。



隼弥「チッ仕方ねぇなぁ〜!」



和『ありがと!明日は一緒に帰ろーな!』



隼弥「おう!」



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和『………行くかぁ…』



さすがに私は桜也が何してるのか気になった。

そりゃ頭から離れないほどに、気にしてた。



和『桜也……いるかな



いた。あれ?一緒にいるのって秋斗?



桜也「………秋斗様。お願いです。」



秋斗「僕、君に下の名前で呼んでいい許可出てないよ?」



桜也「ッ!すみません。_粼_せせらぎ様。」



秋斗「……………で?」



桜也「…あの………私を抱いてください。」







は?何言ってんの!?秋斗に……抱かれる!?







馬鹿じゃないの!?







桜也が……汚れちゃう…………ダメ……







こっちに来ちゃダメだよ。








秋斗「………いいよ…」



桜也「……ありがとうございます。」



秋斗「……その代わり…和、連れてきて欲しいな。」



桜也「はい。わかりました。」



秋斗「友人を差し出してまで僕に抱かれたい理由は?」



桜也「…………権力目当てです。」



秋斗「正直だなぁ」



桜也「隠しても私に得など無いので。」



え、嘘でしょ?たかが秋斗の権力が欲しいまでに私を差し出すの?

どうしたの桜也。そんな人じゃなかったじゃん。



秋斗「ふーん。じゃあ友人を差し出す理由は?」



桜也「………あの人は私の友人などではありません。」









え、?




頭が真っ白になって入ってくる情報がシャットアウトした。





和『ガタンッ』




あ、やば。やったわ。







桜也「………覗きかもしれませんね。少し見てきます。」





秋斗「うん……」





ガラッ



ゆっくりと開いたドアから桜也が出てくる。



和『さ、くや





秋斗「どうだった?」



秋斗「覗きはいたかい?」








桜也「いえ、ただの虫でした。お騒がせしました。」




桜也「虫が







酷く顔が歪んだ。


桜也に虫って言われた?え?なんで………



ここで悟った。




私の知っている桜也は壊れたのだと。







壊れて欲しくなかったな。


ねぇ、"私の"友人。

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