浮気しましたね?
身に覚えが無さすぎてNASAになったわね。
え?浮気?本当に振り返っても身に覚えがない。確かにナンパに遭う確率は高い自覚はあるけれどそんなものに応えるつもりもさらさらない。これでもブラック一筋だと一途に生きているつもりだ。それにそうであったとしてもなかったとしても、ブラックが気づかないはずがない。小賢しくて勘が働いて地獄耳の彼が気づかないなんてあるか?あり得ない。態度に出ていたらしくブラックは態とらしくため息をつく。
カメラちゃんを呼び寄せて自身のパソコンに繋ぐ。ケーブルで繋がれたカメラちゃんはスリープモードに入る。映し出された映像。
カメラちゃん目線の俺の映像だ。やばい、これブラックに映像送られてたのか。迂闊だった。というかこれが浮気認定されるのかよ。どう見ても愛玩的な愛で方だろうよ。そもそもこれ知ってただろ!今に始まったことじゃないんだぜ?結構前からこうしてこっそり愛でていたから、もしかしたらそれも全部ブラックは知っていて。知っていた上で俺で遊んでいやがったな!一時は焦ったがブラックの態度と推測からこれは茶番だと即座に察した。
ダメだぶぶは俺の(必死)!!ぶぶを抱える前にひょいと抱き上げられる。誘拐だ(誤解)!猫攫い(濡れ衣)!ぶぶはみぁ、みぁ、と鳴き後ろ足をぴーんと伸ばす。可愛いな。んー♪とぶぶに唇を寄せるブラック。ぶぶを毒牙にかけるわけにはいかない(失礼)。あ、わちゃちゃいとブラックの顔を引っかいた。俺じゃなくてもやるんだな、わちゃちゃい。
さっとぶぶを取り上げ、怖かったね〜嫌だったね〜と頰を寄せる。そしてわちゃちゃい。もう一連のルーティン。
幾度となく繰り返された茶番にもはや突っ込まなくなったさとしくん。大人になったね。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!