ふぅ…ついにこの時がやってきたぞ…!
やっばい、手震えるわぁ
合ってるよね?
うん、1年5組…私のクラスで合ってる
はぁぁぁ…番号あってる
よし、入れるぞぉ
Nanamori
おはよ!あなたちゃんっ
あなた
んわぁぁっ?!
Nanamori
あぁぁwごめんね?びっくりしちゃった?w
あなた
ううん…大丈夫w
おはよ、ななもりくん
と、挨拶をしながら自然に手に持っていた物を後ろに隠す
Nanamori
あ、今なんか隠した
あなた
げっ…
Nanamori
何?何隠したの
あなた
な、なんでもないよー?
Nanamori
えいっ
あなた
んわっ…背たっか!?()
Nanamori
ふっふっふーっ
え?何、ラブレター?
あなた
そうですよーだ///
Nanamori
えっと?
Nanamori
「誰にでも優しくて、笑顔が素敵な貴方が好きです。」
Nanamori
「良ければ屋上に来てください」…かぁ
あなた
うわ、はっず///
嘘だ嘘だ嘘だ…
まさか本人に読まれるなんて考えてもなかった…
しかも、目の前で。
無駄に良い声で。()
Nanamori
あのさ、ごめんだけどダメ出ししていい?
あなた
は、?
Nanamori
いや…俺自分で言うのもなんだけど、結構ラブレター貰ったことあるんよ
Nanamori
だから、ご参考程度にダメ出ししてもいい?
あなた
あ、はい
Nanamori
まずね、ラブレターにキャラクターもののシールはまずいよw
あなた
えっ?!
うわ…妹だ
Nanamori
ふふふwそれとねぇ名前、書かないと。誰に向けて誰が書いたのか分かったら、屋上に来てくれるかもしれないでしょ?
あなた
あ、はぁい…
Nanamori
「誰にでも優しくて、笑顔が素敵な貴方が好きです。」なんて、嘘でも色んな人に当てはまるんだからその人とのエピソードを書くんだよ
Nanamori
好きになったきっかけとかね
あなた
ふぅん…
Nanamori
んー、まぁこれくらいかな
頑張ってね応援してる
「応援してる」かぁ…
あんな返事、絶対脈ナシだなぁ
―次の日―
あなた
よしっ今日こそ…
Nanamori
あ、あなたちゃんおはよ
あなた
お、おはよっ
Nanamori
今日も書いてきたの?
あなた
うん
あ、この際だから……
勇気出して渡そうかな
あなた
えと、はい…(ズイッ
Nanamori
え?俺のチェック要るの?w
あなた
え、違…
Nanamori
「ななもりくんへ」
Nanamori
ななもりくんかぁ…そうなんだ
Nanamori
………え、?!?!
Nanamori
俺?!
あなた
…うん、ななもりくん
あなた
早く、続き読んで?
Nanamori
あ、うん
Nanamori
「入学式に助けてもらった時から貴方が好きです」
Nanamori
「こんな私にも優しくて、たまに見せるおっちょこちょいな所が凄く可愛くて好きです」
Nanamori
「良ければ放課後、屋上に来てください
あなた」
あなた
えと、今でもいいですか
Nanamori
あ、うん
あなた
ななもりくんが好きです
付き合ってくださいっ
Nanamori
も、もちろん!
あなた
え……いいの、?
Nanamori
うん
凄く嬉しい///
あなた
ななもりくんって本当に鈍感だよね
Nanamori
え?そんなことないと思うけどなぁー
あなた
いやいやいやwだいぶアタックしたよ?
Nanamori
え、マジで?ごめんー
あなたちゃんって男女の友情あり派かと思ってた
あなた
えwwまじかぁw
―END―
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。