あなたside
今は家庭科の時間。
私はこの時間が一番好きだったりする
___君が苦手な家庭科だから
この時間は君に近づける唯一の時間
君は人気者だから
私なんかじゃなかなか喋れない。
だからね、
家庭科の時間だけは特別なんだ_____
毎回
岡﨑「あなたちゃん!ここどーすればいいの…?」
『岡﨑くん、それ先週も教えたよね?』
岡﨑「ごめんなさい、忘れました」
『頑張って覚えてください』
岡﨑「…はーい」
『ここは、ここに針を通して_____』
こんな普通じゃたわいもない会話が
君だから特別で。
先生「そろそろ席飽きたかもだし、席替えしよっか」
いえーいなんて声も聞こえるけど
私はあの時間を奪われた
君とはもう話せないかな?
もう全然話せてない2週間
同じクラスなのに話せない。
寂しい…
「あなたちゃん!!!」
『岡﨑くん!?』
『どしたの?なんか分からないとこでも…』
岡﨑「席替えしてからさ、全然話せてないやん?」
『え、うん』
岡﨑「俺、結構焦ってる、さみし…」
『え、?』
岡﨑「え、っと、好きです、俺と付き合ってくれませんか……」
『…はい、お願いします!』
もう家庭科の時間なんていらない
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。