第9話

告白
932
2020/04/12 03:04
その後、特に何も起こらず、割と平凡な日常を過ごしていたわけなのですが。

もう卒業の時期も、そう遠くはなくて。
凛
ここの校舎とお別れするまで、3ヶ月か…
その間も、何も言える訳でもなくて、自分の気持ちもまだ定かではなくて。

ぼんやり過ごして、高校に上がる。

中学生最後の時期、これでよかったのかなって、思い返す。
凛
……
なんもないなぁ…
なんにもないと暇っちゃ暇だけど、振り返るとすごい早く感じたなぁ…

まぁ割とこんなもんじゃないのかな…
…そうだ…せめて卒業したらもう一度告白……いやいやいや。一回したんだからそれはもういい…

でも本当に伝わってるのかもわからない状態だし…もう一回言った方がいいのかもしれないし…
去年はあんなにゆっくりすぎてった10ヶ月が、今年はこんなにも早い。

だけど頭に残るのは去年の事で。

まだ、好きで。
てか、あいつどこ高行くのか聞き忘れてたなぁ…w
別に気にしてないけど…

だって高校で離れれば、早く忘れられる事ができるんじゃないのか。
いや、そりゃあそうだ。当たり前。
凛
…早いなぁ…ほんと
北風が吹いて肌寒くなる。くたびれた制服を摩る。
入学当初はあんなにざらざらしてた袖が、今は擦れてつるつるになってる。

肌寒いと制服の袖を触るのが私の癖だ。

あいつの癖がうつったのかな…w
あいつの口癖やら仕草やら、今でも事細かに覚えてしまってる。なんでだろうね…


長い様で短かった3年間…いや短かったのは今年だけか…w

新しい恋もしばらくしてないし、冴えない中学生活も最後…
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先生
中学校生活も残り1ヶ月になりました。高校生になったらみんなはなにしたい?
クラスメイト
先生〜同窓会とかやるんですか〜?
先生
あ〜。いつかやりたいね〜
同窓会か…
クラスメイト
大人になったらまたみんなと会いたいな〜
でも成人式になったらみんなとも会えるんじゃ?

まぁそれと同窓会は違うか〜…

中学生活の1番の思い出って言ったらやっぱり初めての制服と初めての片想いかな…

それぐらいしかないな…改めて冴えないなぁ〜w

高校生になったらもっと良い生活になるのかね…
凛
同窓会ね〜…いいかも…
凛
みんな結婚したりしてさ?大人になった姿…見てみたいもんだな…
俺結婚できんのかな〜…ww
凛
あんたはなんかできそうじゃんw
いや俺と気が合う奴なんていんのかな〜wなんてw
凛
いるんじゃない?w
…いてくれるといいな〜
凛
それは私もだよw
1番は、その結婚する人をちゃんと愛せるのかなって…
なんで?
凛
へ?
いや、ちゃんと愛せるのかなってとか言ってたじゃん
凛
え?私言ってた?
言ってたじゃんw
凛
無意識って恐ろしい…
ちゃんと愛せるかなって、どういう意味?
礼の声色が変わった気がした。
凛
いや…なんていうか、未練が断ち切れてないっていうか…
まだ洸哉の事好きなの?
凛
うん…
え?マジ?w長くねw
よかった。いつも通り笑ってくれた…?
凛
で?お前は相変わらず好きな人いないんだ?
…別に誰もそんな事言ってねぇじゃん…
凛
え、いんの?まじで?
…。
凛
沈黙は肯定と捉えるけど、それでいい?
……。
凛
で?誰なの?
…いや。違う。
凛
違うんならはよ言えや…
多分だけどこれは一生叶わないかもな…
凛
なんで?
俺が好きなやつさ、ずっと片想いしてるやつがいてな。高校も多分違うだろうし…
凛
あ、そういや礼ってどこ校行くの?
…湘南…
凛
まじで!?すげぇじゃん!
お前は?
凛
一応2つ受かったけど…
大船と湘南。
2つ!?
凛
湘南は母方のおばあちゃんに言われて受験したら受かっちゃったw
いや〜人間やればできるもんだねw
そっか…
凛
私は大船行きたいけどねw
凛
あれか?礼とその子は違う高校なの?
…多分な
希望はあるかもしんねぇけど、多分無い。
凛
そうなんだ〜…あ、その子のこといつから好きなん?
え〜っと…1年前ぐらいかな〜
凛
お前も結構なげぇなwでもだいぶ前だけどいないって言ってたよね?
見栄張っただけ
凛
ダサw素直になっていいんだぞ〜w
じゃあさ、
凛
ん?
告白するから昼休みになったら体育館裏きて。
凛
ワンパターンだな。…って、告白すんの!?頑張れ!
(お前だよアホ…)
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てか、人に告白すんのに私いるか?
凛
礼〜来てやったぞ〜…あれ、その子はまだこない感じ?
あ、来た。
…お前どこまでアホなん?
凛
え?
お前だよ気づけどアホ
凛
今の私の頭の上にはわかりやすくはてなマークが浮かんでるだろう。
そのままの意味だよ。
お前が好きだ。
凛
……
しばらく固まってフリーズしてると、礼の手が顎に触った。

…まさかこれってこのままキ…キスされちゃうパターン!?
凛
ガクッぐふっ!?
と思ったら半開きになってた私の方が閉ざされた。

顎関節症なのに…。
洸哉
洸哉
…!遅かった…!?
凛
…えっ?
おせぇよバカ。
凛
…?(なんであいつ来てんの!?)はっ!
凛
ま、まさか礼…こいつに…?
洸哉
洸哉
いやなわけねぇだろ。
来てくれたか…
俺は素直にさせるために来た。
洸哉
洸哉
は…ふざけてんのか!?
いや?頑張れよ?
…ここまでやったんだから、感謝しろよな。
洸哉
洸哉
…?
言わねぇなら俺が先に奪うよ
洸哉
洸哉
お前っ…!
…早くしろよな

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