久しぶりにあの日の夢を見た。
そう、あの夏の真昼の屋上で、
太陽の光を浴びながら、
好きな人を目の前に、
俺は情けなく顔を真っ赤に染めていた。
そう、この夢は。
俺の彼女、夜谷あなたが俺に告白してくれた夢。
これはただの夢。
でも現実にいたあの日の俺にとっては、
本当に夢の世界にいるみたいで
状況が把握出来ていなかった。
だからだ。
情けない声で"はい"と返事をしてしまった。
あなたは彼氏ではなく彼女になってくれたのに、
俺は自分からあなたに告白したことは無い。
会話では好き、大好き、愛してるは言えるが
勇気のない俺は目を見て真剣に言えない。
どうやら、あなたを犯している時の俺の方が度胸がありカッコイイらしい。
これは俺の意見だからあなたがどう思ってるかは知らないだけど、
少し自分が嫌いになっていく。
夢の中でも聞こえるあなたの声が
俺はとてつもなく愛おしい。
これは自信が無い彼氏と愛おしい彼女の夢
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。