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第4話

記憶3
 レイトの家は、あなたが寝転がっていた草原から約10分と、以外と近いところにあった。
レイト
ここだよ、入って
(なまえ)
あなた
ありがとう……ございます?
 雰囲気は森の奥深くにある小さな魔道具屋さん、といった感じでどことなく不思議な感覚がそこにはあった。
 良いように言えば、摩訶不思議なおとぎ話に出てくるような綺麗な空間。悪く言えば、整いすぎて生活感のない部屋。
レイト
ごめんごめん、あんまり人を部屋にいれないから……掃除もあまりしてなかったし汚かった?
 確かに、よくよく見れば埃が被っているが別に汚いという程ではない。
(なまえ)
あなた
そんなことは……ないですけど、なんというか……
レイト
ああ、生活感がないって言いたいの?
(なまえ)
あなた
……えぇ、まあ……はい
 控えめにうなずくあなた。そんな様子を見て、レイトはくすりと笑って言った。
レイト
まあ、僕はここにいる時間は短いからね。せいぜい、寝るときとご飯を食べる時くらいしかここにいないもん
(なまえ)
あなた
そうなんですか?
レイト
うん。だって正直、ここ好きじゃないし。どうしても、家族の事を思い出しちゃうんだ。
 その瞬間、あなたの頭の中にも故郷に残してきた家族の顔が浮かんで消えた。
レイト
さ、座って。客人用のお茶をちょっと奥から出してくるから適当にくつろいでいて。
 そう言い残すとレイトは部屋の奥へと消えてしまった。取り残されたあなたは、悲しいのか懐かしいのか、はっきりとわからない感情にとりつかれていて、呆然としていた。
 微かに漂っている薬草の匂いに、薄暗くても何処か暖かい雰囲気。もしかしたらここは昔自分が住んでいた家に、もう一生帰ることのできないあの家に似ているのかな、と思った。
(なまえ)
あなた
(でも、なんでだろう……家はもっと西洋風の作りだったし、そもそも都にあったからこんなにのどかな雰囲気はなかったのに……)
 それでも、目を瞑れば家にいるような錯覚に溺れそうになる。しかし、目を開ければそこはレイトの家で、なんとなくやるせない気持ちになった。
レイト
お待たせ、お湯をわかす準備だけしてきたからちょっとだけ座って待っててね。
 あなたの対角線上に座るレイト。頬杖をついて、あなたの顔をジーっと見ている
(なまえ)
あなた
……なんか顔についていますか?
レイト
ううん、なんでもない~。ただちょっと、悲しそうな顔をしているな、って思ったの
(なまえ)
あなた
……ごめんなさい、何せ人と話すのは数日ぶりでちょっと懐かしい気持ちになってしまいまして……
レイト
懐かしい……ねぇ。家族の事とか思い出しちゃったの?
(なまえ)
あなた
……そうですね
 あなたの頭の中に思い浮かんでは消えていくは家族の笑顔。自分が壊してしまった日常が浮かんでくる。
レイト
ちょっと家族について教えてよ、お茶が入るまで、さ。
(なまえ)
あなた
ちょっと長くなりますがいいですか?
レイト
勿論
 そうして、あなたはぽつぽつと語り始める。今の彼女を形作った過去の物語を嘘を交えながら……。
~~~
レイト
そっかぁ……君、家出じゃなくて結構大変な過去を持っていたんだね。それじゃあ、今までどうやって暮らしていたんだい?
(なまえ)
あなた
野宿をして、適当にお金を稼いで暮らしていました。
レイト
そっかぁ……それじゃあ今、家がないんだね
 うんうん、と頷きながらあなたの顔を覗き込むレイト。
レイト
だったらさ、しばらくこの家に泊まっていかない? ずっと一人じゃあ寂しいんだ。
(なまえ)
あなた
……良いんですか?
レイト
勿論、むしろ御願いしたいくらいだよ
 勿論、君が良いのならね。と付け加えるレイト。あなたは少し悩んだ表情を浮かべた。
(なまえ)
あなた
(でも、これ以上流浪の旅を続けていても答えが見つかるとは思えない……だから、)
(なまえ)
あなた
わかりました、おねがいします
 ありがとう、と一言発したレイト。しかし、キッチンの方から水が沸騰した音が聞こえ慌ててそちらに飛んでいってしまった。
 あなたはそんなレイトを見て、少しだけ、安心したように微笑んだ。