第6話
記憶5
場所は変わってここはレイトとあなたが住んでいる家がある、森の奥深くである。最近、ずっと家に引きこもってばかりだった二人は気分転換にと森に出てみたのであった。
ののほんとした、ゆっくりな空気が流れている。先日までは、あなたもかなりレイトを警戒していたがどうやらその警戒はとけたらしい。今は、雑談をしているところであった。
一瞬、表情が固くなるあなた。しかし、スカートの裾を一回ぎゅっと握り、先程よりも少しだけ小さな声で答えた。
すると、レイトはあなたが嫌がっていることに気が付いたのか、少しだけ申し訳なさそうな顔をしていう。
話を頑張ってそらそうと、別の話題を出したレイト。綺麗な景色とは、一体なにの事だろうと、興味津々のあなた。
少しだけ食い気味に言うあなた。どうやら綺麗な景色と美味しいものには目がないらしい。
しかし、ここであなたは違和感に気がついた。
あなたが、後ろを振り返った。後ろから視線を感じたからだ。
一瞬だけ二人の表情が曇る。
一瞬だけ二人の表情が曇る。あなたには、戦争の時に感じた以上の“ナニか”が感じ取れた。殺気や恨みなど……人の怨念がとてもつまっているように感じた。
そういって二人は来た道を戻っていった。
二人を追っていたであろう何かの気配も、それと同時に森の奥深くへと帰っていく。不穏な気配、それをあなたがはっきりと認識した瞬間であった。