ちょうど1年前_
「梨沙〜移動教室だから行こうー」
彩香の声だ
中学1年生のときから彩香も同じクラスだ
正直私はこの時もモテていた
「鈴原…さっき先生呼んでたぞ…」
この声はバスケ部の森嶋くん
背が高くてイケメンだ
「うん、ありがとう」
私はニコッとして返事をした
「おう、先生が美術室に来いって…」
と少し恥ずかしそうに言った
「わかった、わざわざありがとう」
私は優しい笑顔をして会釈をした
森嶋くんは確か先週ぐらいに私のこと好きになったんだっけ…
まあそんなことはどうでもいい
今は美術室に行くのが先だ
ガラン((ドアが開く音
美術室はまだ明るい時間だったが陽当たりが
悪く電気をつけないと少し薄暗い状態だった
そこに1人絵を描いている男の子がいた
後ろ姿だけだと誰だがわからなかったため、私はその男の子に近づいた
近づいてみると真っ黄色の綺麗な向日葵が描かれていた
あまりに上手くて私は息を呑んだ
すると、私が近づいているのがわかったのか男の子がこちらを振り返った
振り返った少年が大久保だった
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。