その後私たちは映画デートに向かった
でも人は混雑しており、
お互いスカウトされたり、ナンパされたり、
梨沙と大久保が歩いてるだけで
芸能人のカップルと間違われるのもしばしば
落ち着かない初デートだった2人は帰りの電車に乗った
(ああ、もうデート終わっちゃうのか)
そう考えていたら、次の駅から沢山の人が電車に乗っていき、
ぎゅうぎゅうになっていた
大久保は私とはぐれないように
腕を掴んでドア側にひょいと端に寄せてくれた
「あ、ありがとう…」
私は大久保の顔を見た
「どういたしまして」
ニッと笑顔でそう答えた
(これだけでも幸せだな…)
そう考えているうちに、
どんどん人が乗ってきていつの間にか
梨沙が窓を向いて大久保の背中を向ける体制になってしまった
(大久保がの顔見たかったなぁ)
(ん、なんか、この体勢…やばいかも、)
抱きしめられてる感じ…?
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。