第12話

友達から
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2018/05/23 12:48
大久保の隣の席に座ってしばらく経つが沈黙のままだ


何か会話しなきゃ…と思い、私は何か話そうと思ったら


「どうしてさっき尾行したの?」
大久保の方から話しかけてきた
私の方は一切見ずにずっと絵に集中している


「えと…ごめんね…なんか大久保のことが気になってて…」
そんなつもりじゃないのに恋愛的な感じに言ってしまった

大久保はびっくりした顔でえ?と言ってやっと私の方を見た


「え…あ…その…違くて…え、えっとね…」
私がもごもご話していたら急に大久保がプッと笑い出した


「なにそれ、なんか鈴原って面白いね」

ケラケラ笑いながら言った
かなりツボだったのかずっと笑ってる


「もう!そんな笑わなくてもいいのに!」

私は少し頰を膨らませながら言った


「ごめん、ごめん、そんなつもりじゃ」


そう言えば私は大久保が笑った顔は初めてみた
いつもは俯いていて話す時もずっと無表情で話している


そんな大久保のせいか、今の大久保は可愛いくて、凄く新鮮だ


「ねえねえ」

「ん?なに鈴原?」

「もし良かったら友達になりませんか…?」

勇気を出していってみたら、大久保はニコッとして

「もちろん、よろしく」


と言ってくれた


何故か私も笑えてきてしまった

「なに?笑そんなに面白かった?」

と大久保はまたニコッとして言った


「大久保、笑った顔の方がいい!そっちの方がずっと好き!」


と私が言うと何故か大久保は俯いてずっと私の顔を見ようとしなかった

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