第52話
コラボ:三人の中学生
今回コラボは『らしる』さんの作品『育成ゲーム』とのコラボです。(良かったら見てみてね)
バトルロイヤル〜能力は一つだけ〜19話時点
育成ゲーム chapter1 11話時点
両作品の進行度を理解した上で本編を読むことを推奨します。
目覚めると彼は自分がコンクリートの上で寝ている事に気づいた。冷たい床が頬に密着する。彼はその場から1ミリたりとも動かない。自分の置かれている状況が理解できないのだろう。それもそうだ。外見からは中学生にしか見えない。それに怪我もしている。かすり傷なんてものじゃない。彼は片目が潰れていて、そのすぐそこで寝ている彼女は片腕が外れていた。彼は冷静に周りを見回す。彼らが居たのは一目で見てわかるほどのベタな牢獄。
反気「おい、起きろ。前原、亜表。」
彼はそばにいる彼女2人を揺さぶった。
前原「くわぁ、おはよう反気」
前原と呼ばれていた方の彼女が大きな欠伸と共に目を擦る。
亜表「おはよう反気。」
亜表と言われていた方の彼女は頭を抑えながらゆっくりと身体を起こす。
前原「何処ここ」
反気「パッと見牢獄だな。鉄格子の間から監視の様な奴も見える。」
亜表「どうするの?反気。」
反気「抜け出す。俺が鍵を奪うからその瞬間に『幻想』を使え。」
亜表「わかった。」
反気はそっと監視に近づく。
明星「何だ?」
バレた。
反気「なんで俺たち閉じ込められてるんですか?」
こっそり逃げようとした事は内緒。
明星「事件の現場にお前らが居たからとりあえず保護してる。」
反気「ここ牢獄ですよ?」
しばらく続く沈黙。打ち破ったのは少年の声だった。
和弘「明星さん。3人は元気ですか?」
霊鞍「牢獄に入れるのはどうかと思うけど」
明星「仕方ないだろ地下牢獄が現場から一番近かったんだから」
やって来たのは5人組の男女。
前原「どうして私達はこんな状況になったんですか?」
アマツが小さくため息をつく。
アマツ「説明してなかったんですか?」
明星「したはずだが」
嘘つけー!
その後、反気達はアマツと名乗る人からこの状況についての説明を受けた。
大地震の震源に反気達が居たこと。その後、反気達を保護する為に一番近くの地下牢獄に入れた事。反気達に話を聞く為に再度ここに来たこと。大体の事を聞いて状況を理解した。ついで感覚でその他5人の自己紹介を受け、反気達3人も自己紹介をした。
アマツ「では、話を聞かせてください。」
反気「その前にここから出してもらう事は」
アマツ「すいません。上の指示で素性がわかるまで出す訳には行かないんですよ。理解していただけますか?」
反気「わかった。だが、俺達の事を話した後ここについて教えてください。」
アマツ「わかりました。」
反気は元いた場所についての説明を始めた。
反気「俺達は一言で言うと殺し合いをしていた。最後の一人になるまで。」
しかし話の途中で遮られた。
霊鞍「え、じゃあさっきまで殺し合いしてたってこと?誰と?中学生だよね?酷い...」
反気「そう言うことですね。後質問重ねないでもられます?回答に困るので」
霊鞍「あ、はい」
反気「俺は中学生です。殺し合いをしていた相手は同級生。クラスメイト。学校内でのサバイバル。そんな感じでした。」
アマツ「そうですか。地上でそんな話、聞いた事あります?」
明星「無いな。学校名は?」
反気「雪華中学」
明星「聞いた事ないな。少なくともこの世界では。」
海斗「どういうことですか?」
明星「『空間亀裂』って聞いた事あるか?凝縮したエネルギーが一気に放出した時に起こる現象何だが」
霊鞍「知ってるウィル?」
ウィル「いいえ」
アマツ「地下エネルギーの爆発によって『空間亀裂』が出来たということですか。」
和弘「そのクウカンキレツ?ってのが起こったらどうなるんですか?」
明星「他の世界への扉が開く」
アマツ「その歳で厨二病ですか?」
霊鞍、前原(可哀想。)
反気「要するにこの世界とさっきまで俺達が居た世界は違う世界と...(どうやって帰ろう。)」
明星「そうだ。」
反気「なるほど(どうやって帰ろう。)」
アマツ「では、約束どうりにこの世界について説明を...」
反気「その前に一つだけ。俺達実は特殊は力を持ってるんですよ。」
小話
亜表「反気の喋り方気に食わない。」
反気「は?」
前原「うん。違和感凄い。」
反気「うーん?うん。そうですね。」
亜表、前原「それだよ、それ!」
反気「はぁ」
亜表「いつもの反気に戻って。」
反気は亜表の鼻頭を摘む。
亜表「いただただ、痛い痛い。」
反気「もう少しの辛抱だ。後3話ほど耐えろ」