第44話

ケンカなんて
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2022/01/13 09:00
確かに昨日は、




ケンカしたけど、



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昨日


『私明日から合宿だから。』

岩泉母「知ってるー」

岩泉「はぁ!?ダメだ!合宿なんて許さねぇ!」


言うと思ってた。

『知らない。行くから。』



及川「あなた、少しは岩ちゃんの言うことも聞いてあげなよ。心配してくれてるんだよ?」

そうだぞ!と言っているように私を見るお兄ちゃんを見て、少しイラついた。

なんで?

『なんなの?』


少し低くなった声にビックリしたのか、徹君とお兄ちゃんは少し肩をゆらした。


『いっつも、いっつも!』


今日は少しイラついていたのだろう。

旭さんと西谷先輩が戻ってきたのは良かったけれど、私は試合を見て翔陽と同じ様に、妬んでいたのかもしれない。
羨ましいなと感じていたのかもしれない。
悔しくて、自分が今、コートに居ないことが、悔しくて、辛かったのかもしれない。

その気持ちをこの二人にぶつけるのは、ただの八つ当たりだと解っていても、止められない。


止めたくない。



止めたら、何かが負けたような気がするから、






『なんで、やっと、やっと解放されたと思ったのに、今度はお兄ちゃん達に言われなきゃいけないの!?
我慢して、我慢して、ズッタズッタに心死んで、夢も壊されてっそれなのに、__________


_______________次はお兄ちゃん達が私の夢を壊すの?』



言いたくない。

言わなきゃ。


いろんな気持ちが交差して、ぐちゃぐちゃになった心が泣いていいと叫んだ。


プツン、と何かがキレたように私は泣いた。



岩泉&及川「ギョッ!」


泣いた私を見て、二人はあたふたしだした。


岩泉「あなた、?」

『もういい、知らない。』


私は、生まれて初めてあのお兄ちゃんを、大好きなお兄ちゃんを睨んだ。


ああ、私相当怒ってるな。


そう吐き捨てて、部屋に戻った。







部屋に戻ってからも泣き続けた。

少し落ち着いた時には、0時を過ぎていた。


お風呂入んなきゃ、



1階に行ってお風呂に入る。

その途中で、お兄ちゃんの部屋から2人分の寝言、いびきが聞こえたので徹君も泊まってることが解った。




お風呂に入ったあと、なんとなく付けたテレビ番組に叶歌が写ってたので思わず手を止めた。




丁度、今年の春高バレーのインタビューだった。


記者〈優勝おめでとうございます!今のお気持ちは?〉

優勝したんだ。

天内〈ありがとうございます。嬉しいです。〉

こいつ、また美人になりやがった。

記者〈天内さんは、“期待のニューヒロイン”と、なっていますが、ぶっちゃけ、彼氏とか?〉

天内〈居ません。〉

怒ってる?

記者〈そうですか!それでは、憧れた人等は?〉

天内〈__そうですね、2人居て、1人は友達で、もう1人は、「岩泉あなた」ちゃんです。〉


記者を含めその場にいた人たちがザワザワしているのが画面越しでも解った。

こいつ、今私の名前言った?





記者〈えっと....その方は確か、〉

天内〈私の憧れた人です!〉

記者〈そうでしたか、有難う御座いました〉



映像が終わって、画面が出演者の方々のほうに戻った。



何とも言えない顔をしていた。



そらそうだ。




試合を振り返るために、もう一度映像が流れる。



そこには、上手くなった叶歌の姿があった。



驚いた。そして、恥ずかしかった。悔しかった。



上手くなった叶歌


その叶歌が憧れる私。

そこ・・に居ない私。

悔しい






私は、もう一度




泣いた。



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とまあ、こんな感じか、


その後、お兄ちゃん達が家を出る前に出てったので、ちゃんと・・・・、ではないが許可を取るために時間がかかった。



山口「いやダメでしょ!」

影山「だから今日は俺んちに来たのか、」


そこ?

月島「まぁ、コイツが馬鹿なことは知ってたし、始まるまで少し休めば。」

おおう。

優しいとこもあるんだなぁ。









そう言われたので、始まるまでしっかりと休んだ。


少し疲れてるけど、、、

大丈夫、と自分を信じた。





澤村「走るぞ!」


清水「私たちは、買い出し!」

『はい!』


私は、走りに行った彼らに続いて清子さんと買い出しに行った。



























清水「うん。多分これで足りると思う。」


お野菜を選んでいるお姿も美しい。


『カレーですか?』

清水「そっ!」

ニヤリと笑う清子さんは可愛かった。

人間?いや、


女神。




お会計が終わり帰っていると、急に清子さんの声が聞こえなくなった。


血の気が引いて、横を見たら、予想通り清子さんの姿は無かった。



迷子☆



日向「バレーやんの!?


聞いたことのある声が聞こえた。


あの声は、



翔陽?






声のもとへ行くとやはり翔陽だった。









の、隣に、人?




日向「おお!あなた!迎えに来てくれたのか!?」


なるほど、翔陽も迷子か、


私の姿を見るなり希望を見つけたように目をキラキラと輝かせてる。

すまん。力にはなれない。


なぜなら、私も迷子だ。



『違う。私も迷子。』

翔陽は、希望を失ったように下を向いた。


すまんな!


日向「コイツと一緒だな!」

翔陽が目を向けた先には、プリン頭の男の子がいた。



どちら様?

日向「コイツもバレーやるんだぜ!」

なんで君が嬉しそうなのかは解らんが、、、







『セッター?』



そう言った瞬間、ずっとゲームをしていた手を止めて、ポカーンとした顔を上げた。


合ってた?


?「なんで?」

『えっ?』

日向「すっげーーー!なんで解ったの?」

『えっ、だって手綺麗だし、ゲームしてるって頭良いでしょ?偏見だけど。
頭使うのは全部そうだけど、MBとSは駆け引きとか、そうゆうので頭使うから。
それに、Sのほうが、突き指をしていない包帯を巻いてないことの方が多い。



だからかな?』




とび君は、感覚が~とか言ってしないし、
神崎も、してると集中できなぇ!とか言ってしてなかった。

どちらかと言えば、MBの月島君位しかあんまり包帯しないしね。


そこまで述べると、翔陽は宇宙の話を振られたような顔をして、
横にいるプリン君は、少し笑ってた。



日向「す、すっげーーー、、な、研磨!」


『ケンマ?』

日向「そうそう、狐爪研磨!高2のセッター!」

先輩じゃん!

『あっすいません!』

先輩と聞いて、思わず頭を下げた。


狐爪「いいよ、そう言う、先輩とか嫌いだし、」


ぎこちなくそう言う。

『あっ私、岩泉あなたです!よろしくです!』


狐爪「うん。」


?「研磨!」

狐爪「あっじゃあ、またね、あなた、翔陽。」


またね?

迎えに来た人につられて、狐爪さんは去って行った。


菅原「あっ2人ともいた!」


日向「すんません!」

『有難う御座います。』


菅原「ほら、かえんべ!」




私と翔陽も探しに来てくれた菅原さんと一緒に帰った。













武田「えっ、えー、音駒戦ですが、あちらの要望で、こちらから、1人マネージャーを送って欲しい。
だそうです出来たら、

“バレー経験者”を。」









はぇ?













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