というのも、今は午前6時。
朝、スマホが他の人に見つかったら駄目だ、と思い早く来たのだ。
それにしても、早すぎか……眠い。
私は教室の机に突っ伏した。
そう言い、教室の隅に置いてあるスマホを取ろうとした。
昨日の人……ってどんな覚え方!?
というか……
わぁ、ハモった……
そう言って首を傾げる楓は昨日の教室の時とは少し違って見えた。
よーく楓を観察すると昨日は栗色の長い髪を下の方で1つに纏めていたのだが、今日は髪の毛を下ろしている。
ポ、ポニーちゃん?
なんだそれ……
昨日はあんなに静かでクールな雰囲気の楓が今日は私の目の前で首をかしげている。
私は頭の中である仮説にたどり着いた。
間違ってたら恥ずかしいんだけどな……
ポニーテールをポニーちゃんって呼ぶ女子いたんだ……
ちょっと可愛い……
めっちゃ直球の砲丸玉投げられたみたいに心に刺さるんですけど!?
毒舌なのに地味に可愛いんですけど……!?
って言ってる傍ら何かスマホっぽいもの持ってません?
というかそれ、最新モデルだよね。うん。
すっごい高いやつだよね。
あ、そうだ。
あのチャットアプリの連絡先交換して良いか聞こうと思ってたんだ……
でも、楓こそ何でこの時間帯に学校にいるの?
即答かよ!
宿題って何だよ!
今日提出する宿題なんて聞いてないよ!
おいいいいい!!!!!
楓はスマホをいじる。
…………ええええ??
即ブロック……
こうして学校が始まる八時まで二人は話続けたのだった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。