第2話

君との出会い
41
2018/07/14 16:59
「あっつー!!!」
私は高橋 蛍!中学2年生!
みんなからは蛍って呼ばれてる!
今はねー、なんと!
迷子になってます笑笑
え?なんでって?
こうなったのは30分前の話














「・・・っさい!ほたる!起きなさい!」
「分かったよー。今何時??」
「8時ちょうどよ!」
「8時かぁー。ん?8時!?!?」
「そうよ!」
「やばぁぁぁぁぁい!」
私の通っている学校は遅刻にとても厳しい。異常なくらいに。この前なんか1回遅刻しただけで廊下に30分立たされたんだよ!?しかも夏真っ只中の5月の廊下で!!それからと言うもの先生達には目をつけられちゃってるんだ。ただ1回遅刻しただけなのにね。
「いってきまぁす!」
そんなこと思ってるあいだに家を出る準備をした私。速い。自己最高記録達成!さすが私だ!
ってところじゃない!今度こそ遅刻したら…
「本当に殺される!」
今は8時7分。8時15分までが登校時間となっている。ダッシュすればギリギリ間に合うかもしれない。けれど暑いの嫌だし、走るの疲れるし、何より汗かきたくない!
そんなことを思っていると、友人から聞いた話を思い出した。
「そーいえばここら辺って歩いて5分で着く近道あったよね?」
右側には森へ続く細道がある。確かそこを行けばつくはずだ。
「でも……」
虫がいるんだよね。私虫が世界で1番嫌いなんだよね。どーしよ。
「15分まであと7分だ。」
よし。行くしかないや。覚悟を決めた私は森に向かって走り出した。





















ということがあって今現在森の中なんだけど……
見事方向音痴だと言うことを忘れていた私は迷子になってます笑笑
時間はもうとっくに過ぎている。今頃先生達は…
想像するだけで悪寒が走る。
ていうより!
「ここどこ??」
私は四方八方を木や草に囲まれてしまっている。来た道もわかんなくなった。
「本当にどーしよ。私このままなのかな?」
このまま誰にも見つからずに虫に襲われながら死んでゆくのかな?そう考えると自然と涙が出てきた。
その時、誰かが私の方を叩いた。
「大丈夫?」
よく見たら同じ年くらいの男の子が私をを下ろしていた。眉を下げて心配そうな顔をしている。
「っく。ひっく。だれでずが?」
しまった。涙で声が大変なことになってしまった。その瞬間、男の子が
「・・・・・・ぷはっ!あはははは!ブッサイクな顔!」
と笑ってきたのだ。
「なんだぁ!女子にむがっでぶざいぐどば!?」
声が治らない。やばいぞこれ。私多分今すんごい顔してる。いや。絶対だ。
「思ったこと言っただけなんだけど笑
てゆかこんなブスな子初めて見た!
あはははは!」
泣いている私をよそに大爆笑している彼。
ブスなのは分かってるよ。ブスな顔でごめんなさいね。そう思ったらまた涙が溢れてきた。
「わがっでるよ。っぐ。ひっく。ぅぇぇ」
「ごめんごめん!泣かないで!嘘だから!」
え?嘘?
「本当に?」
「うん。そうだよ。笑ってれば大丈夫だよ!」
笑っていれば、か。私今泣いてるんだけど泣いてる顔はぶすってこと?なんだこいつ。私をバカにしやがって!
「んじゃ泣いてる私はブスってことね」
「違う違う!そう意味で取らないでよ!素直じゃないなぁ。」
素直じゃない。ははぁ。やっぱりこいつバカにしてるな。
完全にキレた私はそのまま歩き出した。
「わ!待って待って」
「もういいもん!付いてこないで!」
「違う!そこ崖だよ!」
え?
と思った私は引き返そうとした。しかし遅かった。
「ぎゃぁぁ!」
もう死ぬ!と思った私は目を瞑った。
しかし、何秒たっても衝撃は来なかった。
怖がりながらも目を開けてみるとあの彼が私を支えてくれていた。
「危ないじゃないか!?」
耳元で叫ばれた。いや。あなたこそうるさいですよ。でも、助かったのは彼のおかげだ。お礼は言わなきゃ。
「ありがとう。でも元はと言えばあなたが悪いんだからね。」
嫌味たらしくいった。
「一言余計なひとだな。その一言がなければまだましに見えるのに。」
は?こいつなんてった?
むっきー!!
「あなたも一言多いですけど!」
「まぁそれはいいじゃないか。」
よくないしっ!
「それより君の名前は?」
は?こいつナンパしてんの?
「ナンパですか?」
「なんでそういう風にしか言えないのかな。
君もしかしてアホなの?笑笑」
アホちゃうわ!実はみんなからそう言われてるけど笑笑
「アホちゃうし!てゆか逆に聞くけどあなたは?」
「緑央高校2年 宮崎 爽。きみは?」
緑央高校!!ここら辺ではNO.1の学力を持っている高校だ。ということは?
「私は。緑央中学2年 高橋 蛍」
そう。実は私も緑央中学なんです。
緑央中学はエスカレーター式で緑央高校に入れるようになっている。
「ふーん。ほたる、か。
いい名前持ってんじゃん。」
なんだこいつ。いいこと言えるじゃん。
「ありがと。爽さんも名前は好青年ですね。」
「爽でいいよ。俺も蛍って呼ぶから。」
「おっけい。よろしくね爽!」
「おぅ。よろしく蛍」
よし!仲直り!と思っていると
「てゆかお前学校大丈夫なの?」
学校?学校!忘れてた!
時計を見ると今は8時30分である。
「やばぁぁぁぁぁいぞぉぉ!また怒られる!」
「早くいけよ。ちなみにあっち行けば道に出るからな!」
「ありがとう!またねー!」
私は爽の指さした方へ走り出した。
もう一度振り返るとそこにはもう爽はいなかった。





















これが君との出会い。





























このあと怒られたのは言うまでもない。





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