怨み屋の主人は笑ってその代償を言った。その時ノイズが走り上手く聞き取れなかったが意識を失った。
そう笑った時部屋にはもう怨み屋の主人だけであった。
用意されていたグラスは割れて中身がこぼれていた。椅子が倒れていたが微かに椅子に温もりがありそこに人物がいたという証拠を残していた。
怨み屋の主人である彼は窓から見える景色を見たあと呼び鈴のベルが響き渡るとさっきのミイラのメイドが現れた。
そう言うとミイラのメイドはお辞儀をした時窓が開いて風が引き入れた。メイドが顔を上げるともう既にそこには誰もおらずミイラのメイドは部屋を綺麗に掃除した後に窓を閉めた。
その後上からある画絵が落ちていた。それを見つけて新しく真ん中に飾り先程動きだした絵を右側に飾りメイドは去っていった。
その部屋に鍵をかけた後再びミイラのメイドはドアを開き真ん中にある絵を見た。
そこには死んだ骸骨の骸を抱きしめた母親が描かれていてそれはまるで先程依頼してきた人物に似ていたのであった。
ミイラのメイドは少し悲しそうな顔をしたあと無言でドアを閉めた。
その時真ん中にある絵が一瞬動いて泣いているように見えた。
時刻は夜の11時を過ぎる時間であった。路地裏に現れた怨み屋は不気味な建物の壁に立ち例の人物のことを考えていた。
幸いにも霧が発生しているので見えることは無いが依頼の内容は復讐だった。
それは対象者が違う男の子を襲って殺しているところだった。
泣きながら助けを求めている少年は力尽きてなお対象者が刺し続けていた。やはりその姿は血塗れだった。しかし怨み屋は助けなかった。咎めることも無く救うことも無い。何故なら怨み屋にとっては何も関係ないからである。怨み屋はその一連の動きを見て思いついた。
と怨み屋は対象者に向けて呟い次の日の夜実行することにした。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!