青空に線を引く 飛行機雲の白さは
ずっとどこまでも ずっと続いてく
明日を知ってたみたい
胸で浅く息をしてた
あつい頬さました風も 覚えてる
未来の前にすくむ手足は 静かな声にほどかれて
叫びたいほど 懐かしいのは
ひとつのいのち
真夏の光
あなたの肩に 揺れてた
木漏れ日
潰れた白いボール 風が散らしたはなびら
ふたつを浮かべて 見えない川は
歌いながら流れてく
秘密も嘘も喜びも 宇宙をうんだ神様の 子供たち
未来の前にすくむ心が いつか名前を思い出す
叫びたいほど いとおしいのは
ひとつのいのち 帰り着く場所
私の指に 消えない
夏の日
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!