第4話

最初の場所。⑶
704
2018/01/21 07:00
あっという間にホームルームは終わって、すぐに解散となった。

沙也加
ねえ、あなた!一緒に帰ろ!
あなた

え、いいの?

沙也加
当たり前じゃん!私たち、もう友達でしょ?
??
あ、じゃあ私も一緒に帰っていい?
友達と一緒に帰れるなんて…夢みたいっ!
??
あ、あなたさんにはまだ自己紹介してなかったね!わたし、神楽坂 栞(かぐらざか しおり)って言うんだ!これからよろしくね!あ、私のことは栞って呼び捨てでいいから!
あなた

よ、よろしく!

栞は、ふわふわのくせっ毛を2つに結んでいて、可愛らしい童顔にとても似合っていた。
1日でこんなにたくさん友達が出来るなんて…
私は、幸せでいっぱいだった。
沙也加
栞〜そんな急に話しかけたら、あなたびっくりしちゃうじゃん〜笑笑
あ、そっかー、ごめんねーあなたさん
あなた

ううん!全然!ただ、こんなに友達ができて、嬉しくて、びっくりしちゃって…
一緒に帰ろう!あと…わ、私も、よ、呼び捨てで、呼んでもらっていいかな…?

栞はクスッとわらった。えくぼができていて、すごく可愛らしい。
うんっ、もちろん!行こっ、あなた!
栞と私はカバンを持ってドアの方へ走った。
沙也加
ちょっ、待ってよー!
ハアッ、ハアッ。
帰り道のにある坂まで一気に3人で走った。
沙也加
アハハっ!みんな、髪ボッサボサー!
たしかに、手で触ってみると、髪の毛がぐしゃぐしゃになっていた。
でも、それ以上に、楽しかった。
そーゆー沙也加だって、ヘアピン、すんごい位置ズレてるよ笑笑
沙也加
知ってます〜
あなた

そのヘアピン、可愛いね。

沙也加の髪には、スミレの花が型どってあるヘアピンがついていた。
沙也加
ありがとう~、これ、この前お気に入りのアクセサリーショップで買ったんだ〜(*^^*)
そうだっ、今度一緒に買いに行こっ!
いいね〜!
あなた

え、一緒に?

あ、あなた何か都合悪い?
あなた

ううん、そんなことないよ。逆に暇なくらい。友達と、買い物行くって初めてで…嬉しくて…

沙也加
あなた可愛い〜っ!
沙也加が抱きついてきた。
少しだけびっくりしたけど、沙也加の腕は温かくて、心地よかった。

その後は、買い物のことについて、いろいろ喋った。連絡先も交換した。電車に乗って、私の降りる駅についた。もう12:30。
沙也加と栞の降りる駅は、あと2駅先だった。
じゃあ、来週の日曜日ね!
沙也加
またね!
あなた

うん、バイバイ!

私は、ずっと手を振り続けた。
来週の日曜日。楽しみだなぁ。

二人の連絡先が入ったスマホ握りしめて歩くと、誰かにぶつかった。

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