あっという間にホームルームは終わって、すぐに解散となった。
友達と一緒に帰れるなんて…夢みたいっ!
栞は、ふわふわのくせっ毛を2つに結んでいて、可愛らしい童顔にとても似合っていた。
1日でこんなにたくさん友達が出来るなんて…
私は、幸せでいっぱいだった。
栞はクスッとわらった。えくぼができていて、すごく可愛らしい。
栞と私はカバンを持ってドアの方へ走った。
ハアッ、ハアッ。
帰り道のにある坂まで一気に3人で走った。
たしかに、手で触ってみると、髪の毛がぐしゃぐしゃになっていた。
でも、それ以上に、楽しかった。
沙也加の髪には、スミレの花が型どってあるヘアピンがついていた。
沙也加が抱きついてきた。
少しだけびっくりしたけど、沙也加の腕は温かくて、心地よかった。
その後は、買い物のことについて、いろいろ喋った。連絡先も交換した。電車に乗って、私の降りる駅についた。もう12:30。
沙也加と栞の降りる駅は、あと2駅先だった。
私は、ずっと手を振り続けた。
来週の日曜日。楽しみだなぁ。
二人の連絡先が入ったスマホ握りしめて歩くと、誰かにぶつかった。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。