①天使病…死が近づくほどに天使の羽が生える奇病。死亡したら羽が黒くなる。
②鉱石病…身体に鉱石ができていく病気。最終的には自身の鉱石に包まれて死んでしまう。
③涙石病…涙が結晶化する病気。特に痛みはないが、この症状を持つ患者は寿命が短い。
④花咲病…血液は花弁になり、胸や頭から花が咲き始める。心臓に花が咲いたら近いうちに絶命する証拠。締め付けられるように痛くなるのが特徴。
⑤透明病…負の感情が強く出た時に発症する病気。徐々に体が薄くなり、最後は自分が他人の目に映らなくなったショックで自殺してしまう。
⑥蝶羽病…成長するごとに羽が大きくなり、養分が吸い取られる病気。成長すればするほど養分が吸いとられるので、徐々に身体が動かなくなり、免疫力が落ち、死に至る。
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rdの場合(透明病)
負の感情にさせなければ病状は悪化しない病気のため、彼は貴方を心配させないよう、24時間ずっとつきっきりです。「俺が付いてあげなきゃ、あなたはきっと…」
kyoの場合(鉱石病)
彼が毎日お見舞いに来るたび徐々にあなたの体を蝕む鉱石。病院の蛍光灯に反射してキラキラ光る黄色の鉱石はあまりにも美しくて。「皮肉なくらいに綺麗な鉱石やな」
mdの場合(蝶羽病)
自分を責めます。貴方のせいじゃないと言いたいけれど、事すでに末期。口を動かす力も、声を出す力も、大好きな彼に触れる力すら残っていません。「まだあなたとやりたい事は沢山あるのに」
ruの場合(涙石病)
あと少ししかいられない。主治医から言われた残酷な言葉は大切な人だからこそ、打ち明けられない。きっと明日も明後日もそう同じことを思うのでしょう。「あなたと、離れたくないなぁ」
cnの場合(花咲病)
奇病はまだ治療法が見つかっていないからもしかしたら治るのかもしれない。一縷の望みに掛けて前向きな言葉をかけますが、本当は分かっています。「一縷の望みなんて、そんなのないよ」
knの場合(天使病)
あと少ししか生き残れないなら。悔いのないように残りの余生を楽しませてくれます。羽が生えている貴方を忌々しそうに見つめる周りの目なんて憚らず、ずっと貴方といてくれます
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。