季節は冬、天候もよく空気も美味しかった。
ー昼休みー
昼ごはんを済ませ、やることも無かったので校内を探検していた時のことだった。
あなた「……ふぁ〜あ、昼から寝ようかなー。最近ほんとに眠い。んん?」
左から緒方、神谷、石黒が、右からは風間、倉木、市村がやってきた。そして両者顔を合わせるなり睨み合った。
あなた「はぁ、好きだねぇー、喧嘩。っう、寒い〜。やっぱり冬だから廊下は寒いな。早く帰ろ。」
風間「ん?あ!あなたじゃん!、何してんの?。暇なら俺らと遊ぼーぜ!。」
大和たちをおしのけあたしの方にやってきた。
あなた「ああ、アンタらホントに元気だよね。良くまぁそんな飽きることなく喧嘩出来るよね疲れないわけ?。」
あたしは呆れながら言った
倉木「当たり前や、うちの学年に2人も番長要らんからな!。」
市村「そうそう!」
あなた「まぁ、あたしには関係ないことだから巻き込むのだけは頼むからやめてね。」
風間「なぁ、あいつらなんかと居ないで俺んとこ来いよ。」
後ろから抱きついてきた廉は、大和達をにらみつけた。
大和「気安くそいつに触れんな!」
神谷「あなたから離れろよ、それにどうするか決めんのはそいつだろ?。」
本城「あなた、嫌ならハッキリ言った方がいいぜ。」
6人のやり取りを他所にあたしは、後がめんどくさいがあれをやろうと決めた。
あなた「なぁ、廉今日はしんどいから、また今度にしてくんない?。」
廉「え、おお!いいけど。大丈夫か?、家まで送るけ……」
急に上目ずかいで話しかけたせいだろう、あたしは油断した風間の腕をすり抜けた。
全員口を開けてポカーンとしていたがあたしは構わず言葉を続けた。
あなた「あたしは、ここにいる誰とも仲良く『お友達』をする気は無いよ。じゃね。」
一言だけいいその場から立ち去った。
大和「お前、あいつの事なんも知らねぇくせによくあんな軽口叩きやがったな。」
廉「は?お前に関係無いだろ、つか、彼氏でもねーのに何キレてんの?。」
大和は廉の胸ぐらを掴んだ。
大和「あいつの過去を、お前は知ってんのかよ?ああ!。」
廉「…知らねぇよ、昔のあなたなんて。何があったのかも分かんねぇ。でも、今のアイツを支えることは出来るしな。」
神谷「そういう問題じゃねぇんだよ、とにかく、何も事情知らねぇのにあいつに近寄んなって言ってんだ!。」
倉木「あー、うるさいわ喚くなや、何や?もしかして!妬みか?。」
本城「お前ら、喧嘩売ってんのかよ?。」
市村「はぁ?何や、やるか?。」
お互いがお互い睨み合い、その後殴り合いが始まった。あたしがそれを知ったのは教室に戻ってからである。
あなた「……また派手に喧嘩したなぁ〜、傷作っちゃって。」
そう呟いていたらいつの間にかやまとがあたしの近くによってきていた。
大和「あなた、悪かったな。なんか、傷抉るようなことしちまった。」
あなた「……そこまで気にするような事、言われたっけ?。忘れた。」
少し間をおいてあたしが誤魔化すと大和はまた一言つけ足してきた。
大和「お前は、俺が必ず守る。だから、さっきみたいに泣きそうな顔すんなよ。」
あなた「…っ、何?言ってんの?。泣きそうな顔してたっけ?、あたし。大和の見間違いじゃない?。アハハ、あたし眠いから寝る。どっかいって。」
大和「ああ、分かった。」
大和に図星をつかれるのが嫌でフードを被り寝るふりをした。
その日の放課後大和に送ると言われたが、断った。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。