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第23話

戸惑い
959
2021/06/24 13:47
ー風間宅ー
市村「俺らもさ、廉の無実が証明されたらって思うけど、そんなんじゃ犯人捕まえれんよな?」
倉木「ホンマやで!アホすぎるわあいつ。」
廉「…………あいつ。」
あなた「なら、アホすぎるあいつの手伝いをしてるあたしは、もっとアホってことだな。」
市村「あ、あなた!どないしてん、こんな夜遅くに。」
倉木「ん?手伝いってなんや?」
あなた「…ビラ配り、手伝ってたんだよ。」
廉「はぁ!いや、なんでお前が手伝ってるんだよ。」
あなた「……あいつが真剣な顔して頭下げてきたから」
市村「確かに、頭下げてきたのはさすがにビビったわ。」
倉木「俺もちょっと引いたわ、あそこまでするやつ今までおらんかったからな!。」
あなた「そうだな、…今まであたし達の話、真剣に聞いてくれるやつ誰一人としていなかったもんな。けど、あいつは?」
廉「………どうせ点数稼ぎだろ?いつかは俺らに呆れて居なくなるだろ。」
あなた「どうだろうな…そこまではあたしにも分からねーよ。そろそろ帰るわ、またな。…廉!」
廉「なんだよ」
あなた「とっとと無実を証明して学校来いよ、……祝いに特盛弁当作ってきてやるからよ。」
市村「えー!それずるないか!廉だけ?」
倉木「おれも!おれもおれも!」
廉「……わかった約束だからな、絶対弁当作って来いよ。あなた」
フッと笑いその場をあとにした
その頃大江戸一家宅では
ミノル「お嬢………遅いっすね。」

テツ「大方生徒さんがたのことで何かやってらっしゃるんだろうよ。」
じいちゃん「あいつは、根っからの先生だからなぁ」
そしてヤンクミは来る日も来る日も諦めることなく新犯人探しをしていた。

雨の日も、晴れの日も関係なく。

あたしも暇な時だけ手伝った。
「お姉ちゃん、誰の許可取ってこんなことやってんの?」

ヤンクミ「この人を探してるんです…」
「舐めとんのかゴラァ!」
「勝手な真似すんじゃねぇぞ!」
ビラを踏みつぶしながら男たちは去っていく
散らばったビラを拾い上げていると緒方が近づいてきた
大和「…馬鹿じゃねぇの?あいつの嘘にまんまと騙されてるだけだって、いい加減気づけよ!」
ヤンクミ「信じてるから、風間の事。」

大和「…………」
ヤンクミ「生徒信じてやれなきゃ、そんなの教師じゃないしな!」
ビラ配りを続けるヤンクミの姿をじっと見つめる緒方。
本城「あのせんこうまだ犯人探しやってんだろ?」
神谷「連の嘘まだ信じてんのか〜」
本城「廉のヤローが白金トンネルの近くにいたこと、せっかく大和が教えてやったのにな。」
いつものたまり場で話していると警察が聞いていたのか割り込んできやがった。
警察「今の話本当か?ちょっと詳しく聞かせてくれないか。」
大和「……………」



ヤンクミ「すいません、この男を探しています。お願いします!。」

あなた「この男知らないっすか?探してるんですけど。」
チャラランラン〜🎶

ビラ配りをしているとヤンクミのケータイがなった。
ヤンクミ「はい、教頭…え?」

あなた「………どうかしたのかよ?」

ヤンクミ「悪い、あなたはビラ配り続けてくれ!。」
あなた「は?ちょっと!ヤンクミ!」

嫌な予感がする
私はヤンクミの後をおった。
ー警視庁前ー
タクシーから廉と猿が出てきた
ヤンクミ「風間!」

あなた「廉………」
猿は半ば無理やり廉の腕を引く
猿「どうやら私が甘かったようですね、貴方なら3ーDの生徒を牛耳れると思ったのですが…コイツらやっぱりクズですよ、クズに何を教えようとしても無駄なんです。」
ヤンクミ「教頭!」

ヤンクミとあたしは猿の前に立ちはだかる。
猿「山口先生貴方な知っていたんでしょう!こいつが事件のあった現場近くにいたことを」
ヤンクミ「…………」
猿「刑事さんが緒方大和から聞いたそうです」
ヤンクミ「でも、風間は犯人じゃありませ…」

猿「犯人かどうか決めるのは、これから刑事さんがしっかりと調べてくれます。」
刑事が数人中から出てきた
ヤンクミ「刑事さん、アイツが嘘ついたのはホントのこと言ったら疑われると思ったからなんです。」
廉「…もういいって!」
ヤンクミ「何がいいんだよ」

廉「ふっ、こういうの慣れてっから。」
あなた「廉、お前なさ…」

あたしが我慢できず物申そうとしたらヤンクミにさえぎられた。
ヤンクミ「こんなこと慣れてんじゃねぇよ!刑事さん、刑事さん!こいつ、嘘つくことでしか自分を守ることしか出来なかったんです。こんなふうにしたのあたしたち大人じゃないですか!風間をこれ以上追い詰めないでやってください!刑事さんお願いします、お願いします!」
あなた「ヤンクミ………」
ヤンクミ「風間!、絶対助けてやるからな!」
山口の背中を静かに見つめていると大和の姿が見えた。
ヤンクミ「緒方……」
直ぐにその場を去った大和、あたしは何故か大和に違和感を感じた。

だが私達も連の無実を証明するため犯人探しを続行したのだった。
この時、まさか大和が犯人を見つけるなんてあたしは思ってもみなかった。
大和「………………」

『信じてるから、風間の事』

『生徒信じてられなきゃそんなの教師じゃないしな。』
緒方はぐしゃぐしゃにしたビラを広げ犯人像を確かめる。
大和「……………はぁ。」
緒方は走り出す
ビラを見ながら街中を走り回る
ガラの悪い輩の顔を一人一人確認しながら。
ダンスフロアで犯人探しをしていた時、一人の男とぶつかる。
「どこ見て歩いてんだよ!」

大和「ああ?」

そしてえりを掴んだ時、ビラと同じネックレスをしていることに気がつく。
大和「……すいません。」
手を離し、謝って、男と距離を取り行動を探る。
男が店を出たと同時に跡をつける緒方
しばらくすると角で曲がり細い路地裏に入る。

「お前か、俺の事嗅ぎ回ってるって言うのは」

大和「……ち!」

男の他に数人やってきた。

挟み撃ちにあい逃げ場を無くす。
大和「連続強盗事件の犯人て、あんただろ?」

犯人「…だったら?」

場所を変えようと一同はその場をあとにした。




ヤンクミ「すいません、こんな人知りませんか?」

「あんだよ、あんたもヒロのこと探してんの?」

あなた「……は?」
「赤銅学院のやつもこれ持って探してたけど、どういう関係?」

ヤンクミ「赤銅の?」
あたしとヤンクミはあの時のことを思い出す
あなた「ヤンクミ、もしかして……」
ヤンクミ「まさか……その子、どこにいました?」

「まぁ、今頃はヒロに可愛がってもらってんだろ?」

「ははは!」
ヤンクミ「…………」

「関わんない方がいいんじゃないの?」

あなた「どこに行った………」

「さぁなー」
あたしとヤンクミは不良2人組の首根っこ掴んで壁の方に押し当てた。
ヤンクミ「どこにいるんだ!!!」

あなた「御託はええからとっとと答えろや!!!」
あたし達は半ば無理やり脅したて、急ぎ大和のもとへ向かった。
その頃大和は………
ドコォ!バキ!

ボコ!ドカ!

大和「くっ!がは!」

「オラオラどうしたー!」

「おうおう!もっとやれ!」
犯人率いる不良チームにリンチされていた
犯人「…これで少しは懲りたか?」

大和「てめぇのせいで、犯人扱いされてるやつが居るんだよ」

犯人「だからなんだってんだよ」

大和「てめぇを、っ、サツに連れてく。」
弱々しくも犯人の胸ぐらをつかみ、がんを飛ばす大和
犯人「ふざけんじゃねぇーよ!!!」

ドコォ!!

大和「っかは!うっ!」
大和の腹に蹴りを入れる
〜5分前〜

あなた「ここか……ヤンクミ、大和はあたしが不良共は…」

ヤンクミ「……まかせとけ、ただじゃ置かねえぞ」
あたし達は、目的地を見つけた。
ドォーン!ドォーン!

扉に思い切り蹴りを入れるヤンクミを見てあたしは少し驚きを隠せなかった。

まさかこの蹴りで扉がこの後開くなんて誰も思わねぇだろ普通は。
ドカン!と大きな音とともに扉が開く(倒れる)
ヤンクミ「………緒方お前……」

ボロボロになった大和を見て怒りはさらにヒートアップしたんだろうな、いつもの能天気な雰囲気が消えやがった。


こいつ多分喧嘩強い。
あなた「…大和、おいしっかりしろ!」

気を失った大和に駆け寄る。
ヤンクミ「…高校生一人を大の大人がよってたかって袋にするたぁ、見下げたヤツらだな」

犯人「誰だ?てめぇは。」
ヤンクミ「あたし?あたしはその子の担任の先生だ」

メガネを外し、束ねていた髪を解く
犯人「担任の先生?っだはははは!」

「担任だってよー!ぎゃはははは!」
ヤンクミ「……返してもらおうか、あたしの大事な教え子」

「何が大事な教え子だよ、笑わせんな」

「学校なんて意味ねぇし」

「高校なんて行ったってこいつらの先たかが知れてんじゃねぇか」

「どうせこいつらは、俺らと同じ出来損ないの半端もんだ。」
ヤンクミ「お前らと一緒にすんじゃねえよ!こいつはな、自分のやったことに落とし前つけるためにたった1人でお前らのところに乗り込んできたんだ。こんなにボコボコにされても、仲間助けようとしたんだよ真っ当じゃねぇか!」
あなた「…あいつは他の奴とはやっぱ違うな。」
不良たちはヤンクミに複数で殴りかかるが、綺麗にかわす。

ヤンクミ「どんな出来損ないだろうが半端もんだろうが、いくらだってやり直せんだよ!!。言っとくけどあたしは、可愛い教え子のためなら、手加減しないよ!!」
「うるせぇんだよ!!」
ヤンクミは次々と殴りかかってくる不良たちをものともせずなぎ倒していった
その様子を見ていた犯人は後退りを始めた
「うぁぁー!」

鉄パイプを取り振り回すもまたもヤンクミは見事にかわす。

そしてヤンクミの姿を見失った犯人はキョロキョロとする

ヤンクミ「こっちだ」
背後にいつの間にか回っていた

振りかざしてきた鉄パイプを素手て止める
そして急所をつき犯人は膝を着いた
ヤンクミ「…………」
あなた「お疲れ様、ヤンクミ。」

ヤンクミ「ああ、サツに見つかったら面倒だから、ここから離れよう。」
あなた「だな、…運ぶの手伝う。」

ヤンクミ「ありがとな、助かるよ。」
私達は大和を連れてその場をあとにした
大きな桜の木の下まで来た私達は大和を寝かせ、気がつくのを待った
大和「……っはぁ、っ!」

あなた「あ、起きた」

ヤンクミ「目覚めたか」
大和「あいつらは?」

ヤンクミ「あいつらって?」

大和「犯人だよ」

ヤンクミ「ああ、あたしが駆けつけた時にはもう警察に捕まってたよ。」

大和「…え??けど………」
あたしは知らないふりをしながら静かに大和に応急処置を施していく。
ヤンクミ「全く、無茶しやがって」

あなた「嬉しそうな顔して言うなよヤンクミ」
大和「…………」
ヤンクミ「でも、ありがとな、犯人を見つけてくれて。」

大和「せんこうには関係ねぇよ、っいって!」

あなた「あ、悪いしみたか?あと少しだから我慢しろよ。」
ヤンクミ「…嬉しかった」

大和「はぁ?」

ヤンクミ「信じて、くれたんだろ?風間の事。」

大和「……自分のやったことにけりつけただけだ!。」

あなた「…(素直じゃねーのな。)」
ヤンクミ「そっか……」
あなた「応急処置終わったぞ。」
大和「っ!痛っつ!!」

ヤンクミ「大丈夫か…」

よろける大和を支えようとしたヤンクミの手を振り払う

大和「ガキじゃねぇんだぞ」
あなた「……はぁ」
ヤンクミ「そうだけど、でもあたしの大事な教え子だから風間も、お前もそれから、あなたもな。」

あなた「なんでそこであたしの名前出すんだよ。」
大和「…笑わせんなよ」
そう吐き捨て大和はその場から消えた。
あなた「…あたしも帰るわ」
ヤンクミ「今日はありがとうな、気をつけて帰れよ!あなた!」
あたしは答えることなく手だけ振り返し、その場を去った。
ヤンクミ「何があっても、絶対守ってやるからな。」
〜そして数日後〜

『連続強盗事件犯人確保!!!』

廉の無実は証明され、犯人は新聞にも取り上げられた。

あなた「……あいつのことだ今頃、廉の家にスキップで直行してんだろうなー。」

あたしのつぶやきは見事に的中した



ピンポーン


廉「……はい」

1度開けたドアを閉めようとしたが止められた。

ヤンクミ「おはよう!犯人、捕まってよかったな!」

廉「おお……」
ヤンクミ「緒方が、見つけてくれたみたいだな。」

意外な人物の名前が上がり驚きを隠せないでいる風間

そんな風間を他所にヤンクミはいつもどうり接する
ヤンクミ「ほら、さっさと学校行く支度しないと遅刻するぞ!ほら、ほら早く!」

風間の背中を押し支度をするように急かす。
猿「今日は報告があります…皆さんも知っているとは思いますが、連続強盗事件で3ーDの生徒に容疑がかかりました幸い、真犯人は見つかりましたが、容疑がかかるというだけで、恥ずべきことです!!!!」
猿の余計な一言に3ーD一同は顔を上げ睨む
あたしは教頭のくだらない話に耳を傾けながら、欠伸をかく
あなた「ふぁ〜……あー、ねっむ。」
そういや、大和の姿が見えねぇ。
ー校門前ー
くっそ痛ぇな
まだ体の節々がきしむ。
ヤンクミ「おい!風間急げ!」
山口の声が聞こえた
ヤンクミ「何やってんだ?遅刻だぞ?」

大和「はぁ…………」
めんどくせぇと思いながらため息を着く
廉「犯人見つけてくれたんだってな……」
大和「別にお前の為じゃねぇから、お前とはまだ決着ついてねぇし。」
俺と廉のやり取りを見ていた山口は俺たちの顔を交互に見ながら嬉しそうにニヤニヤしだした
ヤンクミ「〜くぅー!、これで2人とも、とりあえずていちってことだな!」

廉&大和「ていち?」

ヤンクミ「あ、いや、仲直りってことだ!仲直り!」

聞き覚えの無い言葉を聞き返した俺たちに何故か焦りながら言葉をいいなおす。
??「山口先生!!大変です!早く、早く来てください!」

慌てて走って山口を呼びに来た
ー再び体育館にてー
先程の猿の発言により今、暴動が起きていた。

「おいふざけんなよ!」

「降りてこいやクズ!」

「口だけかよ!」

牛島「も、も、も、やめなさいて!や、やめなさ…あいて!誰だ今殴ったの!」
猿渡「う、牛島先生、しー、しーしー。」
倉木「廉に謝れやおい!」
本城「オラオラ頭下げろー!」
市村「何とか言えやおい!」
神谷「おら聞こえねぇのかよ!」
倉木「ダチ犯人扱いされて黙ってられんやろ!!」
後ろから様子を見ていたあたしは呆れることしかできなかった。
あなた「………ちっ!こういう時だけダチ面かようっぜ。こいつらマジでガキだな。」
ヤンクミ「笑わせんじゃねぇよ!」
あなた「………やっときやがった。」
ヤンクミの言葉にその場にいたもの全員が静かになり後ろを振り向く
ヤンクミ「お前らそんな立派な口が叩けんのか?」
猿「いいいい、いや、や、山口先生。」
猿は何か言っていたようだがヤンクミは無視し話を続けた
ヤンクミ「風間が謹慎処分になった時、お前らどうした?誰か一人でもあいつのこと信じた奴いたのかよ」
「………………」
ヤンクミ「風間が犯人じゃないって庇ったやつはいたのかよ!、こんな時だけダチだなんて調子調子のいいこと言ってんじゃねぇよ!!」
あなた「…………(正論だわ。)」
あたし達に一括し、教頭の前へ歩みでる
ヤンクミ「いいかお前ら、耳の穴かっぼじってよぉく聞きやがれ。ただ面白おかしくつるんでるだけじゃ、仲間とは言わねぇんだよ。仲間ってのはな、本気でぶつかって心から信じ合えて、一生付き合っていけるもんなんだよ。」
ヤンクミの言葉を静かに聞く一同
ヤンクミ「そんなことも知らないで、無駄に高校生活送ってんじゃねぇよ!!。卒業までまだまだお前らには時間があるんだ、今からでも遅くはない、本物のかけがえのない仲間を作れ。それまであたしが、とことん付き合ってやるからな。逃げんなよ!!」
教師一同は口を開け呆然

3ーD一同はただ黙って睨むばかり
あなた「………無駄な高校生活送るな、か。へぇ、こいつマジでおもしれぇな。」
あたしはこれから来るであろう未来がとても楽しみで仕方なかった。

うちのクラスのやつはまだ信じ切れた訳では無いだろうが、少なくとも私はこいつをもっと知りたいと思った。

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