某日
いつもと同じ時間に起きて同じ時間に出社する
“武装探偵社”と書かれたドアを開ける
どうやらまだ誰も来てないようだ
私はいつも通り席に着き携帯を開く
この携帯には日ごとの仕事の内容を入れてある
今日の仕事は書類関係だけで大した仕事はない
確認を終え携帯を置いて伸びをする
するとドアを開ける音と同時に聞こえた「一番乗りっ!」の声
ふふふ…残念ながら私が一番乗りだ…
少年は私に気づくと「あ…違った」と落胆の声を出す
私に微笑みかける少年
そう言って照れながら苦笑する敦くん
うん…今日も今日とて反応が良いね~…
そう笑って答える私
これは私の日課の一つである。
だって反応が可愛いんだもん……だからつい……ね?
笑ってグットポーズをする私を見て赤面しながら顔を隠す敦くん…
今日は良い日かもしれない…
みんなが来るまで敦くんの照れた顔がたくさん拝めるんだもの……
それに……
独り占めできてるし……ね…
そんなことを考えながらパソコンを開く
キーボードの音だけが響く部屋
「今日は暑いですね」なんて口を開く敦くん
沈黙に耐えられなくなったのか
それとも
単に話したいからなのか
否…後者は私がただ自惚れているだけなのかもしれない
それでもいい
今のこの時間を少しでも特別なものにしたいから…
後ろから私の名前を呼ぶ敦くん
振り返ろうと体を動かす
動かせなかった
敦くんが後ろから抱きしめていたから
耳元に届く落ち着いた声
一体何処で覚えてきたんだろうか
太宰さんに教えて貰ったんだろうか
恐らく私の顔はさっきの敦くんのように真っ赤かもしれない
どうしよう……どうにかしてこの状況を打破しないと
頭では分かってるけどいざとなると動かない
我々人間の特徴なのかもしれない
クスクスと聞こえる笑い声と同時に私の体は自由になった
さっきの仕返しですよと言って笑ったままの敦くん
私はため息と同時に顔を覆う
ダメだ……今日仕事にならないかも…
そっと敦くんに目を向ける
そう言って悪戯に笑う敦くん
揶揄うためなのか
それとも
その日から私の日課が一つ増えた
── END
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投稿遅くなってごめんなさい🙏
これから少しずつ投稿してきます!(と言ってものんびりだと思いますが)
リクエスト沢山くれてありがとうございます!
少しずつ消費していくので待ってて下さい🙇♀️
読者の皆さんがドキドキしてくれてら幸いです( *¯ ꒳¯*)
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。