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第36話

攻められたい〈敦Ver.〉
6,535
2019/08/27 07:57
某日

いつもと同じ時間に起きて同じ時間に出社する


“武装探偵社”と書かれたドアを開ける


どうやらまだ誰も来てないようだ



私はいつも通り席に着き携帯を開く


この携帯には日ごとの仕事の内容を入れてある


今日の仕事は書類関係だけで大した仕事はない


確認を終え携帯を置いて伸びをする


するとドアを開ける音と同時に聞こえた「一番乗りっ!」の声


ふふふ…残念ながら私が一番乗りだ…


少年は私に気づくと「あ…違った」と落胆の声を出す









敦
おはようございます…あなたさん


私に微笑みかける少年


あなた

あ…おはよう敦くん。今日は寝癖ついてないんだね

敦
それは言わないでくださいよ!思い出したくないですから…
そう言って照れながら苦笑する敦くん


うん…今日も今日とて反応が良いね~…



あなた

凄かったもんね昨日のは…。もう一瞬誰かわかんなかったもん

敦
あなたさん!もうやめてくださいっ!
あなた

ごめんごめん…ついね


そう笑って答える私


これは私の日課の一つである。


だって反応が可愛いんだもん……だからつい……ね?





敦
まだ…誰も来てないんですね。てっきり一番乗りだと思って期待したのに…
あなた

うん…「一番乗りだっ!」ってはしゃいでたもんね

敦
なっ!…聞こえてたんですか!?
あなた

うん…バッチリ!

笑ってグットポーズをする私を見て赤面しながら顔を隠す敦くん…


今日は良い日かもしれない…


みんなが来るまで敦くんの照れた顔がたくさん拝めるんだもの……



それに……



独り占めできてるし……ね…




そんなことを考えながらパソコンを開く




キーボードの音だけが響く部屋


「今日は暑いですね」なんて口を開く敦くん

沈黙に耐えられなくなったのか


それとも


単に話したいからなのか


否…後者は私がただ自惚れているだけなのかもしれない




それでもいい



今のこの時間を少しでも特別なものにしたいから…



敦
あなたさん…



後ろから私の名前を呼ぶ敦くん


振り返ろうと体を動かす


あなた

つ…!?



動かせなかった



敦くんが後ろから抱きしめていたから




敦
今……2人だけですね…
あなた

そう…だね…//



耳元に届く落ち着いた声






一体何処で覚えてきたんだろうか



太宰さんに教えて貰ったんだろうか




恐らく私の顔はさっきの敦くんのように真っ赤かもしれない




どうしよう……どうにかしてこの状況を打破しないと




頭では分かってるけどいざとなると動かない



我々人間の特徴なのかもしれない




クスクスと聞こえる笑い声と同時に私の体は自由になった
敦
真っ赤でしたね…
あなた

うるさいっ!//



さっきの仕返しですよと言って笑ったままの敦くん



私はため息と同時に顔を覆う




ダメだ……今日仕事にならないかも…



敦
あなたさん…


そっと敦くんに目を向ける



敦
この続きは……また今度…


そう言って悪戯に笑う敦くん










揶揄うためなのか



それとも











その日から私の日課が一つ増えた






── END






*☼*―――――*☼*―――――
投稿遅くなってごめんなさい🙏
これから少しずつ投稿してきます!(と言ってものんびりだと思いますが)
リクエスト沢山くれてありがとうございます!
少しずつ消費していくので待ってて下さい🙇‍♀️

読者の皆さんがドキドキしてくれてら幸いです( *¯ ꒳¯*)

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