紫side
いい加減
嘘をつくのはやめてほしい
夜中に何度も目が覚めた事、知ってるし
ずっと手が震えていた事も知ってる
その度に手を握って、背中をさすって
やっと落ち着いたのに
毎日朝からこさめが騒ぐ事無く
普通に起きて普通に生活出来るようになってから
少しだけゆとりが出来て
だからかみことも過去と向き合いつつあって
なんか、一周まわって良かったんじゃないかって思う
こさめも活き活きしてて、少しだけ、充実しているなと思えた
そう言うとこさめは席へ座り
みことが朝食の食パンをお皿に乗せる
食パン1枚を焼いただけという
超適当&お金のかからない朝ご飯だが
こさめはいただきますを言った後、美味しそうにそれに齧り付く
らんは、言った
本当の事を
こさめはペラペラ喋っていた天才こさめの頃の話をしないから
多分、忘れてしまったのだと思う
まぁそれはまた、なつが最近やっと知ったように
高校2年生の時にでも伝えればいい
だけど、その為に
俺もみことも、変わらないといけないと確信している
やっと決心がついた
らんが本当の事を伝えたように
すちが本当の事を認めたように
なつが本当の事を思い出せたように
俺らだって
変わらないと
俺らは多分
小さな世界に囚われている
苦しんだこの場所で過ごすのは
もう無理なんだ
きっとこの場所を離れた方が
俺にとっても、みことにとっても、こさめにとっても良い
そう、分かってしまった
そう認めてしまった












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!