そう言うとヒビヤ君は足早に立ち去ってしまった
そう文句を垂れ流し、私は夕焼けで橙色になる空を見ながら帰路についた。
その時公園の方から少し古びたブランコ特有の「キィ…キィ…」という音が聞こえる
特に意味もないが公園の方を見る
そこには見知った黒がベースのパーカーの青年がいた
私は脳で考えるよりも先に声を出してしまった
青年はこちらの声に気がついたのかふとこちらを見て笑った
そうケラケラ笑うカノさん
そう言おうとした瞬間、カノさんの方を見る
何も言わずにただただ微笑んでいる
カノさんはそう言って「なんてね」とだけ言った
なんだ、この人と私は結構似てるんだな
私はカノさんに近づいて笑顔でこういった
そして
あなたを
暗闇から
こうやって
暗闇から救い出しますんだ!
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。