何気ない会話。これが一番幸せだ
良平さんと普通に喋って、普通に笑って、
この幸せが崩れませんように。
…そう願ったばかりなのに
そう言われて、あおになった信号を渡る
その瞬間、何か大きな音が聞こえた。
私の記憶の中に残っているのは大きな車が私にぶつかろうとしていた。運転手は焦っていて、私が渡ってる信号は青だった。
悔いが無い人生だった…なんてかっこいいことを言うつもりは無いけど、良平さんと出会えて、結婚して、そう考えると本当に幸せだった
バンッ
ギギィィィィィィ
ドンッ!!!!!
なにかに押された感覚はあった、だけどなにかに強くぶれたれ様な感覚はなかった。
恐る恐る目を開ける。今私の頭の中は混乱と最悪の予想がいりまざっていた。
最悪の予想が今当たってしまった。
血は止まらない。息は荒くなり始め、大丈夫、大丈夫だよと言ってくれる声はどんどん小さくなる。
あぁどうしてだ。今辛くて仕方ないはずなのに、なんでそれでも笑うんだろうか
ついに意識を失った
周りの人が救急車を呼んでくれたみたいで、サイレンが聞こえる
これが、あの良平さんにとって最後の記憶
この時の私の声、聞こえてましたか?
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。