第2話

No.0
2,109
2021/11/25 14:06
木村 あなた
良平さーん!
木村良平
あなた!現場お疲れw相変わらず元気だなw
木村良平
あと、夫婦なんだからそろそろ「良平」って呼んでくれても良くない?
木村 あなた
嫌ですよ〜!良平さんは良平さんのままがいいんです!
木村良平
こだわんなくてもいいと思うけどなぁ…
木村 あなた
次の現場一緒ですよね?現場前にお昼食べませんか?!
木村良平
いいよ食べよw
この辺だとどっか美味い店あるかな…
木村良平
あ、この前のぶと言ったところいいかも
イタリアンのお店だけど、いい?あなた
木村 あなた
もちろん!!イタリアンかぁ…
木村良平
顔から早く食べたいって文字が浮き出てるよw
木村 あなた
だって朝ごはんちょっとしか食べれてないでもん…
木村良平
あれ?おにぎり置いといたの気が付かなかった?
木村 あなた
え?!うそ?!朝起きてすぐ家出たから気が付かなかったのかも…
木村良平
電気もつけないで用意してたの?w
木村 あなた
メイク移動のバスの中でやらせてもらおうと思って…
木村良平
今日朝の5時でだったもんねwお疲れw
何気ない会話。これが一番幸せだ
良平さんと普通に喋って、普通に笑って、




この幸せが崩れませんように。
















…そう願ったばかりなのに
木村 あなた
早くお店行きましょ!
木村良平
ここ信号多いんだから気をつけてw
そう言われて、あおになった信号を渡る

















その瞬間、何か大きな音が聞こえた。






私の記憶の中に残っているのは大きな車が私にぶつかろうとしていた。運転手は焦っていて、私が渡ってる信号は青だった。
木村 あなた
(…あぁ、分かった。私死ぬんじゃん。)
悔いが無い人生だった…なんてかっこいいことを言うつもりは無いけど、良平さんと出会えて、結婚して、そう考えると本当に幸せだった

















バンッ
























ギギィィィィィィ





ドンッ!!!!!
木村 あなた
…あれ?私じゃない…?
なにかに押された感覚はあった、だけどなにかに強くぶれたれ様な感覚はなかった。
恐る恐る目を開ける。今私の頭の中は混乱と最悪の予想がいりまざっていた。
木村 あなた
…良平さんッ…?
最悪の予想が今当たってしまった。
木村良平
ゥ…くっ…
木村 あなた
うそ、ッ…そんな、……ッごめんなさいッ…ごめんなさい、ッ…
木村良平
大丈夫…だよ、…そ、んな…泣き、う…な顔すんな…
血は止まらない。息は荒くなり始め、大丈夫、大丈夫だよと言ってくれる声はどんどん小さくなる。
あぁどうしてだ。今辛くて仕方ないはずなのに、なんでそれでも笑うんだろうか
木村 あなた
どうして…どうしてそんな笑えるんですか…ッ
木村良平
…あなた…が、…た、、ぃせ …、っだ、っから…
木村良平
木村 あなた
良平さん…ッ


良平さん?良平さん?!?!?
ついに意識を失った
周りの人が救急車を呼んでくれたみたいで、サイレンが聞こえる
木村 あなた
良平さん大丈夫…もう大丈夫ですからね…ッ
木村良平



































これが、あの良平さんにとって最後の記憶
この時の私の声、聞こえてましたか?

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