第6話

執拗い
561
2023/12/12 23:27
ジミン
ジミン
じゃ、また明日来るからね!
今日はちゃんと休むんだよ
古びた部屋の前で手を振り、別れる2人
テヒョン
テヒョン
うん、またねジミン
階段を降りようとするジミンの姿を見守るが、突然振り返り何かをいいたげな顔で戻ってくるジミン
ジミン
ジミン
テヒョン…ッ
テヒョン
テヒョン
なぁに?
ジミン
ジミン
いい、よく聞いて
ジョングクには近づくなよ?何かあったら僕にすぐ連絡、わかった?
テヒョン
テヒョン
…うん
でもどうしてジョングク…?
ジミン
ジミン
知らない方がいい事もあるんだよ
テヒョン
あからさまに隠しているジミンに少し苛立ちもあるが、ジミンの言うことは正しいことが多い。
だから、僕は頷くだけだった
                             ガチャン
テヒョン
テヒョン
はぁ……
しっかり家の鍵をかけ、確認をすると
ドアに寄りかかりズルズルと音を立て床にペタンと座る



(今も声が…聞こえる)



少しだけ、少しだけだけど、ジョングクの声が心地よくて
名前を呼んだだけで胸が苦しくなった。。


怖いと思う自分もいるけど、初めて胸がきゅうってなったんだ
テヒョン
テヒョン
っ、
警告されたのにそんなことを考えてしまう







部屋でご飯を食べていると、テレビではアイドル達が新曲発表をしている。


1人ずつ、また1人と挨拶して……

テヒョン
テヒョン
彼奴の方がかっこ良かったな
なんて無意識に呟いた声は
床に落ちて、僕はそれに気づかなかった








ジョングクside


広々とした家に帰り、今日もいない唯一の家族の父に挨拶して、帰っても来ないのに少し期待をする


だが、最近父への関心がどんどん薄れていく

帰ってこない日も昔は寂しいなとは少し思ったのに
今や「1人って楽」なんて思い始めて
このまま家が僕のものになれば…なんて無茶な妄想をする



デカい冷蔵庫からお茶を取り出して、
ふと気づく
ジョングク
ジョングク
あ、テヒョニヒョンのカカオ聞くの忘れた
「失敗した」と思った
スマホを開いて、カカオを開く
大学で気づかなかったけど、大量の通知が来ている

まぁ、友人からならまだいいが、
こんな僕に寄り付くやつなんて媚び売るだけだし、友人と言ったらジニヒョンか、ユンギヒョンぐらい。

だから、この通知は全部……

「女」ばかり

毎日毎日
「いつ会える?」
「今日も遠くからでもかっこいいと思った!」
「大好き!」

なんて送って飽きない奴らって思う

好きになってもらえる訳でもないのに、よくやるよ
ジョングク
ジョングク
はぁ、
ポンポンと減らしてるうちに、ある一言に気がつく


「今日一緒にいたパーカーのひと誰?」


フリフリの服をアイコンにした、いかにも女子って子が呟いた一言
ジョングク
ジョングク
関係ない…
冷たく返信をし、ブロックする。



興味本位で近づいた相手キム テヒョン、彼もブロックした彼女達と同じだ。
僕は親父を超えることだけが生きがい

人を愛するなんて……
有り得ない



そして、今日も広くて冷たいベッドに1人眠る




ドンドンドンドンドン
ジミン
ジミン
起きろぉぉっ
また今日もドア越しにジミンの声が響いてる
テヒョン
テヒョン
んー……
ジミナ〜……眠いよ
ジミン
ジミン
だーっもぉ...
今日はテヒョアを連れて来たいところがあるんだよ!ほら、起きて起きてっ
テヒョン
テヒョン
どうせ大学…でしょ?
目を擦るテヒョンを部屋へと押すジミン
ジミン
ジミン
大学の帰り
ほら、リュック持って!













大学の門の前で止まるテヒョン
テヒョン
テヒョン
今日も講義に行っちゃうの?
ジミン
ジミン
なぁに寂しいの?
テヒョン
テヒョン
うん…
ジミン
ジミン
……ㅎㅎ
ジミン
ジミン
大丈夫、直ぐに戻るしそれに
今日は途中で帰るから
テヒョン
テヒョン
途中で?
ジミン
ジミン
うん、行きたいところあるって言ったじゃん
テヒョン
テヒョン
じゃぁ今日は僕大学フラフラしてるから、後で連絡して?
ジミン
ジミン
うんわかった
「またね」と言って別れる
テヒョン
テヒョン
♩〜
行くところを迷い地図を見るテヒョン
ジョングク
ジョングク
……テヒョニヒョン?
突然後ろから肩に手を回され、名前を呼ばれる
テヒョン
テヒョン
……えっぁ、ジョング…ク
ジョングク
ジョングク
やっぱりテヒョニヒョンだ
何してるの?
テヒョン
テヒョン
いや、別に
ジョングク
ジョングク
暇なの?
ジョングク
ジョングク
あれ、ジミン先輩は?
テヒョン
テヒョン
ジミンは授業に行ったの
僕はこれから大学でもフラフラしようと
ジョングク
ジョングク
でも、大学広くてわかんないでしょ?
テヒョン
テヒョン
うっ……
ジョングク
ジョングク
ㅋㅋ
僕が案内するよ、今日は授業元々受ける気無かったし
テヒョン
テヒョン
…ねぇジョングク
どうして僕のところに来るの?
ジョングク
ジョングク
さぁ?
テヒョン
テヒョン
さぁって…
ジョングク
ジョングク
そんな事より、ほら前見ないと躓くよ?
少し広い庭を歩き階段を降り、人気が少ない庭へ進む

噴水があるぐらいで特に何も無い庭
テヒョン
テヒョン
ねぇ、誰もいないけど
ジョングク
ジョングク
うん?
だって人の目が嫌なんでしょ?
ジョングク
ジョングク
言ったじゃん
僕人気のないとこ知ってるって
テヒョン
テヒョン
…あーうん
「ほら、ここ」
と白いベンチに腰をかける
ジョングク
ジョングク
ねぇ、テヒョニヒョン
電話番号教えてよ
テヒョン
テヒョン
……無い
ジョングク
ジョングク
下手な嘘だなぁㅎㅎ
マシな嘘付けないんですか?
テヒョン
テヒョン
……なんで僕に構うの
ジョングク
ジョングク
いずれ分かるよ
ねぇいいでしょ?電話番号、ほら
テヒョンのパーカーの裾を引っ張り、飼い主にオネダリするように頼むジョングク
テヒョン
テヒョン
…っ分かった、
そんな押しに弱いテヒョンもあっさりと負けてしまう
ポケットからスマホを取り出して、ジョングクへ渡し

ジョングクは自分のスマホとテヒョンのスマホを弄り連絡先を交換する
ジョングク
ジョングク
はい、どうぞ
渡されたのと同時にジミンからメッセージが届く
「今はどこにいるのー?」



「何してるー?」

と授業に飽きたのかこっそりメッセージを送っているジミン
テヒョン
テヒョン
...はぁーぁ、
「今は庭を散歩してる」

と嘘を送る
ジョングク
ジョングク
ねぇ、誰と話してるの?
テヒョン
テヒョン
関係ないでしょ
というか授業受けなよ
ジョングク
ジョングク
ねぇ、テヒョニヒョンはここの大学通うことにしたの?
テヒョン
テヒョン
話そらすなよ…
まだ決めてないよ
ジョングク
ジョングク
ねぇ、通ってよ
どうせ毎日遊んでるんでしょ?
テヒョン
テヒョン
遊んでない、一応僕だって忙しいんだよ
ジョングク
ジョングク
ふーん
でも大学楽しいよ?
テヒョン
テヒョン
まぁ、気にはなり始めてる
ジョングク
ジョングク
んじゃ通うよね?
テヒョニヒョンが通うならちゃんと授業受けるよ
テヒョン
テヒョン
それ本気?
ジョングク
ジョングク
うん
テヒョン
テヒョン
僕が来たら授業受けるってなんで?
ジョングク
ジョングク
それはー……
ジョングク
ジョングク
テヒョニヒョンは〝特別〟だから
これがいけなかった。
テヒョンと言う愛に飢えた純粋な子にこんな〝特別〟なんて言葉をサラッと言ってしまう。

ジョングクは軽い言葉だと思い、言い慣れている為サラッと言ったつもりだろうが、
テヒョンにとっては
誰かの特別になれたそれ一言だけでも嬉しいのだ。
テヒョン
テヒョン
特別……?
ジョングク
ジョングク
うん、じゃなかったらここまでしないでしょ?
顔を覗きこもうとするジョングクと、耳まで赤らめるテヒョン
ジョングク
ジョングク
..
そう思い
テヒョンの灰色のパーカーに手を出す
            バシッ




触れようとしていた手が勢いよく自分の体に帰ってくる。
手の甲はヒリヒリとしている。


なんだろと思い上を見ると、
「はぁはぁ」と息を切らしながら額に汗を垂らし、こちらを睨むジミンの姿があった
ジミン
ジミン
ちょっと、許可なく触るとか失礼だろ
ジョングク
ジョングク
あーぁ、
テヒョン
テヒョン
ジミン?
ずっと下を向いていたテヒョンも、ジミンの息と声に気づき顔を上げる

それと同時に、パーカーがズレて
パサッと音をたてながら顔が見える
ジミン
ジミン
あ!!
思わず顔を隠そうとするが、間に合わなかった


ジョングクはテヒョンの顔に夢中になっているのだ
ジョングク
ジョングク
……美人
テヒョン
テヒョン
え?
ジョングク
ジョングク
あ、いや……
ジミン
ジミン
あ!ほら、パーカー被って!
ジミン
ジミン
おいっ
ジョングク今見た事は忘れろよ?
ジョングク
ジョングク
なんで?
ちょっともうちょい見たいです
手を伸ばすジョングクにバシッと叩くジミン
ジミン
ジミン
触るなっ
てか、まだ敬語使ってないの?
本当マナーがないよな
テヒョン
テヒョン
ジミナ?
ジョングク
ジョングク
そんなに敬語使って欲しいんですか?
ジミン
ジミン
欲しいって言うかそれが常識でしょ
ジョングク
ジョングク
はぁ……分かりましたよ
ウザイし、だるいですけど、使いますよ
ジミン
ジミン
丁寧に言ってるつもりだろうけどめっちゃムカつくね
ジミン
ジミン
ていうか!
テヒョア!あれほど言ったでしょ?!
テヒョン
テヒョン
ごめんねジミナ〜…
テヒョン
テヒョン
ちゃんと言うこと聞けなくて
ジミン
ジミン
全く、、ほら立って
優しいジミンの声が少し乱暴になる

それにテヒョンは少し肩をはねらせてその場に立つ
テヒョン
テヒョン
怒ってる?
ジミン
ジミン
怒ってないよ、大丈夫
ジミン
ジミン
ほら、リュック持って行くよ
ベンチに置いたリュックを持ち、その場を去ろうとする
取り残されたジョングクはベンチから離れ宙を舞うリュックを掴み、テヒョンを見る
テヒョン
テヒョン
ちょ、ジョングガ離してよ
ジョングク
ジョングク
どこ行くんですか?
ジミン
ジミン
関係ないだろ?
てか、リュック離せよ
ジョングク
ジョングク
僕はテヒョニヒョンに聞いてるんです
ねぇ、どこ行くの?
テヒョン
テヒョン
……
テヒョン
テヒョン
ジミナと出かけるんだよ
だから離してよ
ジョングク
ジョングク
2人で毎日居て楽しんですか?
ジミン
ジミン
ねぇ、何が言いたいの?
ジョングク
ジョングク
いや、別に?
ジミン
ジミン
あのさぁ、僕とテヒョンは高校からの〝親友〟なんだよ
だから、一緒に居てつまらないなんてことないの?分かる?
ジョングク
ジョングク
それは先輩の意見でしょ?
ねぇ、テヒョニヒョンは?
とジミンの回答を無視し顔を近づける

少しそれにびっくりし、後ずさりをするテヒョン
テヒョン
テヒョン
僕だって楽しいよ
ジミンから出た〝親友〟の言葉に
ジョングクの〝特別〟という言葉とは違うが、すごく嬉しい気持ちになり、思わず笑みがこぼれる
ジョングク
ジョングク
親友さんはいいですね
それだけを言い残し、2人の間をわざと通り
階段を上がる
ジミン
ジミン
はぁ……
わしゃわしゃとイラつきながら髪を掻き回す
ジミン
ジミン
本当、腹立つ
関わっていい事ないな....
テヒョン
テヒョン
……
ジミン
ジミン
聞いてる?
ジョングクの背中を目で追い、全く聞いていない様子に心配するジミン


自分でも、ジョングガは苦手だと思ってたけど
少し気になるんだよね
分かるんだよ?
遊び人なんだろうなって、でも……
僕なんかに〝特別〟なんて言ってくれたんだよ

胸がきゅうってなって、
嬉しいのに苦しかった。。
でも、嫌じゃなかった。。。





ジミンについて行き、あたりは薄暗い路地を通り進んでいく
テヒョン
テヒョン
ねぇ、どこまで行くの?
人気のなさと何よりここら辺は治安が悪いとあまり人が寄り付かない場所

そんな場所をズンズンと進むにつれ、不安しかない
もしかして、怒ってどこかに拉致されるのでは?なんて変な妄想をし始めてしまう
ジミン
ジミン
着いたよ
ジミンが止まったのは人気はないが今にも潰れそうな様子はなく、一見普通のBARのような店

蛍光色の赤色を放ちジジッと電気の音を立てるBAR
テヒョン
テヒョン
ここに行きたかったの?
ジミン
ジミン
うん
ここ僕が疲れた時によく来るんだ
ジミン
ジミン
人も少ないし、何よりここの店の人聞き上手なんだよ
毎日一緒にいるのに、ここで悩みや、愚痴を吐いているという事を嬉しそうに言うジミンにどこか
「僕に言えばいいのに」なんて嫉妬をする
BARの中はジミンの言う通り人は少ないし、音楽だけが鳴っていて、普通にいい雰囲気のBARだった



カウンターは狭く、中には背の高い男がグラスを拭いて、「いらっしゃいませ」と言う
ジミン
ジミン
また来ちゃったㅋㅋ
あ、今日は友達も連れてきたんだ
嬉しそうにカウンターの男に駆け寄る
「友達?」
と首を傾げる男、暗くてよく見えなかったが顔つきが少し怖い。

イケメンなのは分かるが少し怖い……
ジミンに引っ張られ、まじまじと見られる
ジミン
ジミン
このカウンターの人はソジュンさんで、そしてこっちが例のテヒョン
ソジュンヒョンにはよく悩み聞いてもらってるんだよ
ソジュン
ソジュン
どうもㅎㅎ
優しい声で恥ずかしげにぺこりと礼をする

それに対し人見知りが発動しまくりのテヒョンも礼を返す
ソジュン
ソジュン
パーカーでよく見えないけど
美人なの?
ジミン
ジミン
うん
テヒョンは美人だよ?
ソジュン
ソジュン
見てみたいなぁ
ジミン
ジミン
まぁ、ソジュンヒョンにはいいか
ソジュン
ソジュン
ありがと?
「お前はテヒョンのなんなんだ」なんて笑いながら突っ込むソジュンに
「僕はテヒョンのガードマンだよ」なんて冗談なのか本気なのか分からない返しをする



フードから顔を出し思わず
「おぉ…」と声が漏れるソジュン
ジミン
ジミン
おぉって、親父臭い反応ㅎㅎ
ソジュン
ソジュン
あ、いや
ごめん想像以上に綺麗な顔だったからㅎ
テヒョン
テヒョン
あ、ありがとうございます?/
ソジュン
ソジュン
正直モテるでしょ?
テヒョン
テヒョン
いや、モテないですよ
付き合ったこともないですし
ソジュン
ソジュン
え?!
ジミン
ジミン
本当にないよ、付き合ってた子がいたら僕すぐ分かるし
ソジュン
ソジュン
あー……もしかして、ジミンのせいか?
ジミン
ジミン
はぁ?
僕はただ変な虫つかないようにしてるだけだし!
ソジュン
ソジュン
地獄耳だなぁ、怖くて何も言えないよ
テヒョン
テヒョン
でも男だし、人を見る目はある方だと思うよ?
ジミン
ジミン
とか言いながらジョングクにまたいじめられてたでしょ
テヒョン
テヒョン
……うっ
なんでもお見通しのジミンには口では敵わないと察したテヒョンは直ぐに白旗を振る

ソジュン
ソジュン
ジョングクって昨日話してた?
ジミン
ジミン
そう僕のストレスの元
テヒョン
テヒョン
え?ソジュンさんにジョングクのこと話したの?
ジミン
ジミン
話さないとストレス溜まるんだよ
ソジュン
ソジュン
ソジュンさんじゃ無くて、ヒョン付きでいいよ
テヒョン
テヒョン
あ、じゃぁソジュンヒョン……
ソジュン
ソジュン
基本ジミンの愚痴聞くのが仕事みたいなもんだから、テヒョンも全然愚痴とか吐いてっていいよ
ジミン
ジミン
相変わらず僕しか客いないの?ㅎㅎ
ソジュン
ソジュン
居ます~
この時間帯は人が来ないの知ってて狙ってきてるんだろ?
ジミン
ジミン
あ、バレてた?
ソジュン
ソジュン
逆にバレてないと思ってたのか?ㅎㅎ
ジミン
ジミン
ヒョン鈍いじゃん
BARには3人しかいないけど、すぐにテヒョンもソジュンに懐き、3人で色んな話をしてあっという間に時間が過ぎていった

話しやすくて、ジミン以外に友達がいなかったテヒョンにとってソジュンは本当の兄のような存在に思えてきた
ジミン
ジミン
テヒョンはもう少し相手を疑うべきだ
直ぐにフラフラと懐いてついてちゃってさぁ
テヒョン
テヒョン
気おつけるよ
ジミン
ジミン
本当かなぁ?ㅎㅎ
とハグをしながら話す2人
テヒョン
テヒョン
でも、ソジュンヒョンに色々と話せて良かったㅎㅎ
凄い楽になったし、話しやすいし
ソジュン
ソジュン
そう言ってくれて嬉しいよ
俺もテヒョン話しやすかった
ジミン
ジミン
ねぇ、僕の存在忘れないでよ?
テヒョン
テヒョン
忘れてないよ
ジミン
ジミン
来る時は僕も連れてけよ?
最近、お前冷たいから寂しい
テヒョン
テヒョン
冷たくないよ
ジミン
ジミン
はぁーあ
明日もジョングクに会うのかなぁ
「やだなぁ」
とカウンターに寝そべりため息をつく
ソジュン
ソジュン
そのジョングクには絶対会わなきゃいけないの?
ジミン
ジミン
いや、別にそういうわけじゃないけど
ジミン
ジミン
ほら、テヒョンが……
チラッとテヒョンの方に目をやるが本人は何も分かっていないようで、ソジュンから出されたプリンを食べながら

「ん?」


とキョトンとした顔で見てくる
テヒョン
テヒョン
僕がなぁに?
ジミン
ジミン
ね?分かる?ヒョン
ソジュン
ソジュン
あー……こりゃダメだね
ジミン
ジミン
はぁ…ほんと1番嫌な虫がついちゃったよ
ソジュン
ソジュン
避けて行けばいいだろ
そいつが遊びのつもりでテヒョンの事虐めてるなら、避け続けてる間に飽きるだろうし
ジミン
ジミン
?!
ジミン
ジミン
それ名案
思わずハイタッチする2人
ジミン
ジミン
よし、避けて避けまくって彼奴を引き離してやる...
こうして始まったジョングクを僕から引き離す作戦

でもこの作戦がまさか事態を悪化させるなんて
誰も予想出来なかっただろう

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