「壊す……?」
グクは何を言ってるの?
そんなの
できるわけないよ。
🐰「あなた」
「ん?」
🐰「これからあなたは」
グクは真剣な眼差しで
こっちを見つめてくる。
🐰「俺達は隠れながら生きていく」
🐰「それでも俺と一緒にいるか?それとも日本へ帰るか」
そうやって見つめてくるグクに
好奇心が沸いた
「ずっと一緒でしょ?」
グクに抱きつくと
🐰「ん、なら今すぐに荷物まとめて」
「うん!」
なぜか
私の心の中には怖さがなかった。
こうやって誰かと逃げることに好奇心が湧いて
楽しみだった。
「準備したよ!」
🐰「よし、行くぞ!」
家を出て
私達は今から遠くの海へ向かう。
誰も知らない
見たことない場所で
密かに暮らすんだ。
坂道を走る
「グクっ!」
🐰「行くぞ!」
めちゃくちゃ楽しそうじゃんw
🐰「おまえも笑ってんじゃん?」
「だって楽しいから」
私の手を引くグクは
すごく笑顔で
キラキラしていた。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!