第11話
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コンコン
ドアをノックする音が聞こえる。
グクが来たのかな
🐰「開けて」
低音ボイス
だけどさっきより弱々しくて優しい声だ。
ゆんちゃんにこの声は効かないけど
私はこの声に
めっぽう弱い。
ガチヤ
「なn」
ギュ
🐰「ごめん」
グクの暖かい感覚
優しい匂い。
「グク……」
🐰「俺、ただ嫉妬しただけなんだ」
え…
てっきり私のこと嫌いになったのかと思ったのに
🐰「さっきから酷いことばっか言ってごめん」
グクは私の耳元に顔を埋めて
かわいい声で言った。
「ううん。私もごめんね」
🐰「ユンギのとこ行っちゃ、いやだよ」
くっ
このうさぎなんてかわいいんだ…
「行くわけないでしょ」
って私が言ったら
🐰「ほんとっ?」
って顔を覗き込んでくるから
ドキッとしちゃう。
こいつ
ほんとにずるい…
「ほんとだよ。私にはグクだけだから」
🐰「えへへ」
🐰「僕もあなたのことだーーーいすきだよ」
そうやって
ニコッと笑うグクが
かわいくて愛おしかった。
やっぱり私には
この人しか
いないんだ
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